物理カードじゃない「eSIM」高い認知度も利用率は3割、心理的ハードルが障壁か―LINEMO調査

ソフトバンクのオンライン専用通信キャリア「LINEMO」は2日、全国のスマートフォン利用者2100人を対象とした「スマートフォンとeSIMに関する実態調査」を公表。調査によると、eSIMの認知度は76%に達する一方で、実際の利用率は31%にとどまり、認知と利用の間に大きなギャップが存在することが判明した。
通信費に関する意識調査では、月々の携帯電話料金を「高い」と感じている利用者が60%に上った。しかし料金プランやキャリアを「定期的に見直している」との回答は8%、「必要に応じて見直している」は38%で、合計46%にとどまった。
見直しを阻む要因として最も多く挙げられたのは「変更の手続きの面倒さ」で34%、次いで「料金プランの複雑さ」が31%となった。さらに「店舗に行く億劫さ」も24%を占め、心理的なハードルが影響していることが示唆された。
そして年代別のeSIM利用状況を見ると、20代では41%が利用しており、他世代を大きく上回った。対照的に50代では25%、60代では24%にとどまり、若年層と中高年層の間で普及率に顕著な差が見られた。
eSIMを利用していない理由については、「設定方法がわからない/難しそう」が22%、「手続きが面倒そう」が21%で上位を占めた。しかし実際の利用経験者の83%は手続きや設定を「簡単だった」と回答しており、利用前の懸念と実際の体験に大きな乖離があることが示されている。
この結果について同社は、「難しそう」という先入観によってeSIMを避けてしまう「eSIM食わず嫌い」の実態があると分析している。