集英社、生成AI巡り声明 「作家の尊厳を踏みにじる」他社よりも強い口調で対策急務を訴える


集英社、生成AI巡り声明 「作家の尊厳を踏みにじる」他社よりも強い口調で対策急務を訴える

集英社は10月31日、生成AIを利用した権利侵害への対応について声明を発表。同社は「心血を注いで作品を作り上げた作家の尊厳を踏みにじり、多くの人々の権利を侵害することのうえに成立してよいはずはありません」と訴え、AI開発企業や国に対して早急な対応を求めた。

「生成AIの利用の有無に関わらず」権利侵害に対応

声明によると、この秋OpenAI社の新サービス「Sora2」のリリースとともに、著名なコンテンツの類似映像がネット上で大量に発生。これらのアニメやキャラクターの著作権を侵害する動画は、AIによる学習をベースとして生成されている。

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同社は生成AIの進化により創作の喜びが広がる社会を歓迎する姿勢を示す一方で、現状の問題点を厳しく指摘した。生成AIサービスを提供する側が「早急に『オプトアウト方式』以上の実効的な侵害対策、権利者に対する救済策を打ち出さない限り、コンテンツ産業の基盤を揺るがし続ける生成AIサービスを利用した侵害のスパイラルは止まらない段階にきています」と警鐘を鳴らした。

さらに法整備を含めた国家レベルでの対応も不可欠だと訴え、同社は「生成AIの利用の有無に関わらず」権利を侵害していると判断したものについては厳正な対応を取ると表明している。

生成AIとをめぐっては同日、国内の出版社・アニメ関連会社17社と2協会が連名で生成AI時代における創作と権利のあり方に関する共同声明を発表。今回の集英社の声明もおおむね同内容だった一方、より強い口調で現状を訴え、より実効的な対応を求めるよう言及している。

著者 テクノロジー/ゲーム担当
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