『鬼滅の刃』無限城編、米国SNSでの反応は?生成AI分析で見える“日米の違い”

インフルエンサーマーケティングを手掛けるトレンダーズが運営する「SNS Insight Lab.」は、9月に米国でも公開された映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」について、日米のXにおける投稿内容を生成AIで分析した結果を発表した。
分析は7月18日の日本公開日に投稿された5000件、9月12日の米国公開日から25日までの4966件を対象に実施。データクレンジング後に生成AIを活用し、映画鑑賞者の感想投稿を抽出、比較分析した。
その結果、日米ともにポジティブな投稿が多い点は共通していた。映像や音楽の完成度の高さ、IMAXや4DXでの上映体験などへの高い満足度に関する投稿は米国で29.00パーセント、日本で18.93パーセントと米国の方がより多い傾向が見られた。
一方、日本では映像や作画への言及が多いのに対し、米国ではIMAXや4DX等の劇場フォーマットや音響体験への言及がより多かったという、両者の違いも確認された。
“初見勢”はアメリカの方が多い?
また、日米ともに「泣いた」という投稿も目立ち、米国では18.07パーセントと約2割が「had me crying(泣けた)」「ugly cried(ひどく泣いた)」「eyes were sweating(涙があふれた)」などといった涙に関する投稿をしていた。「猗窩座」「冨岡義勇」「胡蝶しのぶ」といったメインキャラクターの名前を含んだ投稿は日本で11.90パーセント、米国では14.43パーセントとともに1割以上を占めた。うち米国では「猗窩座」に関する投稿が約3割を占め、日本よりも高い比率となった。
日本に比べて米国に多く見られた傾向としては、本映画で「鬼滅の刃」作品をほぼ初めて見たという投稿が、日本では0.42パーセントと1パーセントに満たなかったのに対して米国では約5倍の2.02パーセント見受けられた。「鬼滅の刃は見たことがないけど、この映画は最高」「鬼滅の刃は1話しか見たことがなかったけど、この映画は本当に最高だった」(抄訳)といった投稿があったという。
一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科の本武陽一准教授は本発表の講評として「SNSの分析においては、特に自然言語を数値化して扱うことが重要だと思われます。それが生成AIの活用によって、適切かつ容易に実現されるようになりました。今回のようなタイムリーかつグローバルな投稿データがスピーディーに分析できるようになったのは、その成果に他ならないと言えるでしょう」とコメントしている。
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable