ファーウェイの世界初“3つ折りスマホ”触ってみた わずか3.6ミリの薄さに驚愕…気になる実用性は


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中国ファーウェイは9月10日、3つ折りスマートフォン「Huawei Mate XT」を発表しました。発表当時に国内外で大きな話題になっていましたが、実機を手に取る機会がありましたので、折りたたみスマホを普段使う筆者の体験を紹介します。

Mate XT Ultimate(以下、Mate XT)は世界で初めて商用化を実現した「3つに折り曲げられるスマートフォン」として中国国内で発表されました。価格は19,999元〜、日本円にして約40万円と非常に高額にも関わらず、発売当時は供給不足が予想されたこともあり、数倍の価格で転売されるなど話題になっていました。※中国国内のみでの取り扱いとなり、グローバル版での展開は未定。

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Type-C端子並に薄い3つ折りスマホの新技術を体験

現在、折りたたみスマホはサムスン、グーグルを筆頭に、中国メーカーも多数新製品を発表しています。これらは折り曲げられふ有機ELディスプレイを活用しており、一般的なスマートフォンサイズながらも大画面の映像体験が叶う今注目の技術として注目されています。そして進化のスピードも早く、ここ数年で見違えるほどの薄型軽量化が図られています。

ただ、いくら大画面とはいえ、展開時のスクリーンサイズはタブレットに及ばず、マルチタスクにはやや向かないなどの課題が指摘されていました。そこで、Mate XTでは折り曲げ回数を1回→2回数に増やすことで、ディスプレイの表示域を拡大。より迫力ある映像体験が可能になり、機能性に富んだデバイスを追求しているとアピールします。

…といった説明よりも実際に見てもらうほうがわかりやすいでしょう。いわずもがな、本機の最大の特徴は折りたたみ機構にあります。

折りたたみ状態では「Z」字にディスプレイが収納されているので、両端を持ってやや強めに引っ張りますと、屏風のように画面が展開されます。現行の折りたたみスマホをも上回る約10.2インチという、正真正銘タブレットの大画面サイズが現れます。

展開時の画面1102-fz25nfjf

折りたたみ機構のヒンジ部分の完成度も十分に高く、やや固めなもののスムーズに動作します。そして最も驚かされたのは展開時の薄さです。3分割されているため、収納時はどうしてもかさばるのでは?と思いきや、1枚単体での厚さはわずか3.6mm~4.8mm!収納時でも12.8mmと、2つ折りスマホと同等の薄さを実現しています。

山折りのヒンジ部
山折りのヒンジ部

この薄さは充電端子のType-Cコネクタの厚さである2.6mmに迫るものとなっており、むしろ「端子の分厚さが制約になっている」ほど。この厚さに180度折り曲がるヒンジが格納させていると考えれば、お見事というほかないでしょう。重量については298gとスマホにしては規格外の重さですが、前述の特性を考慮すれば良くやった、と言いたくなるほどです。

横から見たとき1102-nomjay85

そして、気になる耐久性の問題についてですが、こちらは短時間しか触ってないので半端な言及はできません。しかし、山折りと谷折りが混在していることから「間違えて逆方向に折ってしまいそう」って思うほどに心もとない印象でした。

そして、画面には山折り部分が存在し、その部分が必然的に落下などのリスクが高そうとも感じました。公式によれば不意の開閉を防止する機能が搭載されたり、厳密な耐久試験を実施したりするといい、一定の信頼は持てそうなものの、40万円という価格を考えると気安く扱うのはできなそうです。

実用性は正直「これからに期待」

また、気になる実用性に関してですが、正直のところ「まだ相応の魅力は感じないかな…」と思ってしまいました。画面サイズがタブレットサイズであるため、複数の分割画面モードを利用して「ドキュメント作成+ブラウジング」といった活用法はあるものの、テキスト打ちを行う場合は別途キーボードを用意するのが順当ですし、現地ユーザーからは「アプリの最適化が不十分」との意見もあります。

ただし、動画やメディア視聴においては大画面を最大限に活かせるアスペクト比であることから、大変魅力的。前述した最適化の観点では、将来的なソフトウェアアップデートでの機能拡充に期待したいところです。

分割画面モードはより自由度が広がる
分割画面モードはより自由度が広がる
手に持つと普通のスマホ
収納するとと普通のスマホ

また、2度折れる機構なため、単なる「全展開」と「スマホサイズ」を行き来するだけではなく、一度だけ折り曲げた「2つ折りサイズ」にも対応。画面を立てて擬似スマホスタンドにすることができたり、画面がデカすぎる際に調整したりと、いろんな使い方ができそうでした。ただ、独自の重心バランスと背面カメラの出っ張りにより、卓上での安定性は少し悪いです。

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折りたたみ機構以外の性能としては、一般的なハイエンドスマホと同等。カメラシステムはメインカメラ、超広角カメラ、望遠カメラの三眼構成に。性能面ではKirin 9010プロセッサーを搭載し、ゲーム等も快適にプレイできます。ただ、OSはHarmonyOSであるため、グーグル関連サービスが利用できない点では大きな欠点になります。

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片手で持つにはややキツい

以上、世界初の3つ折スマホをチェックしてみました。とにかく3つ折りの新技術に終始ワクワクし続けたものの、高級さや入手性の低さ、そして実用性を加味すると欲しいとはならないのが筆者の感想でした。もっとも日本国内で発売される可能性は無いに等しいため、参考にする方は居ないでしょうが、「サムスンが来年に似た機種を発売するかも?」との予想がも立っており、この技術日本で目にする機会も近いのではないでしょうか。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。