楽天モバイルが遅いのは本当か?都心11地点で検証したら十分速かった
「楽天回線は遅い・繋がらない」などと口コミでよく耳にするが、本当なのか。その真相を東京都心11箇所で実際に計測調査した結果とともに「東京都区内はちゃんと繋がり高速」である理由を解説する。
11地点速度結果一覧
はじめに東京都心の様々な地点で計測した楽天回線の速度結果を表敬式で掲載する。
地点 | 速度(上り /Mbps) | 速度(下り /Mbps) | 時刻(全て休日) |
阿佐ヶ谷1丁目 | 66.7 | 31.1 | 21時 |
大久保駅 | 101 | 56.1 | 15時30分 |
小田急新宿駅 | 58.6 | 23.9 | 14時 |
新中野 | 52.6 | 47.5 | 15時 |
中野坂上駅(メトロ) | 57.6 | 52.7 | 15時30分 |
東京都庁 | 22.5 | 37 | 16時 |
地下鉄車内 四谷三丁目付近 |
25.6 | 20.9 | 16時 |
東京ドーム | 0.57 | (計測不可) | 17時 |
大手町1丁目 | 98.9 | 26.7 | 19時 |
築地駅(メトロ) | 55.3 | 22.7 | 14時 |
東京都心10地点で現場検証
住宅街近辺
まずは住宅街の多い中野・杉並エリアで検証。阿佐ヶ谷駅北側の阿佐ヶ谷1丁目付近で計測してみたところ、下り66Mbps・上り31Mbpsだった。阿佐ヶ谷北には3万人ほど住んでいるが建物や接続数による通信の障壁は感じられなかった。
その他にも東京メトロ新中野駅地上で計測してみたが、結果は上り下り50Mbpsだった。先程同様住宅街では繋がらない事は全くもってなかった。
世界一の駅・新宿周辺
世界最多の乗降客数を誇る巨大ターミナル「新宿駅」。行き交う人が段違いに多いこの街で果たして安定して高速な通信速度を楽天は担保できたのか。新宿西口・小田急百貨店前での計測結果はこちら。
結果は下り60Mbps・上り23Mbpsと全く通信に支障のない数値が出た。
新宿駅から少し離れて高級ホテルや超高層ビジネスビルが立ち並ぶ東京の中心・東京都庁前でも計測した。結果は下り20Mbps台と高層ビルの通信障壁が原因と見られ、やや低速な結果となった。
ビジネス街
大手町周辺はビル群が立ち並ぶため通信が阻害される要因が多いが、特に問題無く通信はできていた。結果は下り100Mbpsと高速。
規模としては小さいが、ビジネスビルと居住地が同じ場所に入り組む中野坂上駅で調査してみたが、結果は下り57Mbps・上り50Mbps程度と安定。
地下鉄車内
そして、最も気になる部分といえば地下でちゃんと繋がるがどうかだ。今回はただの駅構内ではなく、東京メトロ丸ノ内線のトンネル走行中に計測した。結果は以下の通り上り下り20Mbps以上とやや低速なものの繋がらないといったことは全く無かった。
また、かつて場内市場もあり現在は役目を豊洲に移転した中央区・築地の地下鉄築地駅構内で計測したが、下り50Mbps超えだった。(この結果は以前公開した記事から引用)
地下鉄線内・地下区間の楽天エリアについては別途詳しく調査しているので以下を参照していただきたい。
フルキャパの東京ドームは不通
最後に今回調査した中で唯一、楽天回線が通じにくい(or不通)になッタエリアがあった。某日のライブイベントに著者が参加した際の下り(ダウンロード)速度は以下の通り、1Mbpsを下回る結果となった。
これは同じ場所で5万数千人もの人が一斉に通信を行っている状況で大変回線が混雑する事に起因する。そのため、上りの計測は時間がかかりすぎて断念した。
これは楽天に限った話ではなく、Docomoやソフトバンクなどでも同様の減少は発生する。ただし、楽天回線の場合少し遅すぎると感じた。因みに幕張メッセ・ビックサイト等臨海地区では正常に接続できていた。
(コミケ等の巨大イベントには通信補完の為に通信車両を派遣することも多い)
東京都区民は楽天一択
以上の結果から、余程の特殊な状況でない限り楽天モバイルは安定した通信の提供ができていることがわかった。東京都区内及びその周辺(多摩地域や東京近隣の千葉県)では他大手キャリアと同程度の通信は担保でき、遅い・繋がらないといった問題は無かった。
ただし高層ビル内部や地下店舗内といった極めて通信障壁の多い場所においては安定してつながるという保証はないので場合によって適切に回線の選定をしていただきたい。
また、テストサーバーによる数値の誤差の低減のため、すべて「IPA CyberLab 400G (Tokyo)」にセットして測定した。