クラファンのMakuake、通期予想を一転赤字に 背景に投資先失脚と消費の足踏み、手数料増額など先行きに懸念も
クラウドファンディングサービス「Makuake」を運営するマクアケは7月30日、2024年9月期第3四半期決算を発表するとともに、通期業績予想を下方修正し、連結営業利益が一転赤字になる見通しを明かした。
Makuakeではクラウドファンディングを通じて商品を「応援購入」することかできるサービスとして、ITガジェットを筆頭に、流通規模が小さいニッチな商品や、商用化したばかりの発展途上の製品などが多く取引されている。
そんな応援購入プラットフォームの草分け的存在として知名度あるMakuakeだが、業績予想の下方修正として、売上高を39億2,500万円から36億300万円へと8.2%の引き下げ、利益面では営業利益を1,600万円の黒字予想から▲9,700万円となり、純利益も1億5,200万円の赤字を見込んだ。
また、同日の決算内では特別損失も計上。投資先の非上場企業の実質価値が大幅に下落したとして、7,824万円の投資有価証券評価損を当四半期に入れ込んだことで、四半期純損失は1億6,210万円に膨らんだ。
修正の理由として同社は、原材料高や物価高の影響で実行者のプロジェクト掲載やサポーターの応援購入に変化が見られたことを挙げた。また、第3四半期から獲得を始めた優良な新規・リピート実行者によるプロジェクトの開始時期が想定より遅れたことも影響したとしている。
実際、第3四半期累計期間のプロジェクト応援購入総額は前年同期比2.2%減の126億4,450万円にとどまった。地方や海外の実行者の動きも前年同期に比べ鈍かったという。サービスの規模を示すGMV(流通総額)については、前四半期より伸びたとしつつも、アクティブプロジェクトの減少に伴う形で前年同期比で約10%の減少。
また、収益構造の一部改革の一環として、7月22日から実行者向けのサービス手数料を「18.2%」→「20%」へと増額する取り組みを実施しており、新規実行者の取り込みにも影響を及ぼす可能性が示唆されている。これらの要因により、同社の株価は発表以降連日での上場来安値を推移。投資家の期待が集まるクラウドファンディング業界にとって、先行きの不透明感を示した。