折りたたみスマホはどう進化した?発売間近の「Galaxy Z Fold6」魅力やギモン、課題をまとめて紹介:短期レビュー


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サムスンは7月上旬、新型の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold6」と「Galaxy Z Flip6」の国内展開を発表しました。前モデルから1年足らずと通例よりやや早めの発表となり、7月31日から発売を開始する両製品ですが、今回は前者Fold 6を先行して紹介します。

2019年に初めて発表した「Z Fold」シリーズはFoldの名の通り畳むことができるのが特徴の変わり種スマホとして、以降年一スパンで後継モデルを発表。年々成長を見せているなか、この度待望の「Fold6」が誕生しました。価格はSIMフリー版が249,800円から、ドコモ等キャリア版が275,990円(割賦制度あり)からとなっています。

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マルチタスクも迫力のエンタメも叶える「折りたためる」大画面

「Galaxy Z Fold 6(以降「Fold6」)」の最大の特徴は、言うまでもないと思いますが、ピタッと閉じる折りたたみ機構。画面はサブディスプレイとメインディスプレイの2枚で構成されており、メインはしなやかに折れ曲がるフレキシブル仕様。デバイスを開けば、iPad mini(8.3インチ)にも迫る7.6インチの大画面が現れ、タブレットさながらの使用感が味わえます。

Google Mapを使うとわかる大きさ
Google Mapを使うとわかる大きさ

特にゲームや映像鑑賞においては、一般的なスマホでは味わえないクラスの大きさによる迫力感が得られます。アスペクト比も7:6と正方形に近く、縦画面ゲームでは横の視野が、横画面では縦の視野が広がり、没入度も格段にアップ。動画視聴については多くが16:9固定であるため、ゲームほど大画面の恩恵は得られませんが、やはり通常のスマホよりも大きく、見やすいです。

縦画面ゲーム「学園アイドルマスター」
縦画面ゲーム「学園アイドルマスター」

ちなみに、個人的に折りたたみスマホの恩恵が最も感じられるのは電子書籍やマンガを読む時だと感じます。大画面と高解像度ディスプレイにより、文字がくっきりと表示され、長時間の読書でも疲れにくい設計に。やや目が悪い身としてありがたい仕様です。

A4型の書籍を表示した場合
A4型の書籍を表示した場合

そして、折りたたみスマホは複数のタスクを同時に行うことでマルチタスクのシーンで本領を発揮します。複数のアプリを同時にメインディスプレイに表示すると、それぞれを切り替える必要が無いのはもとより、アプリ間で画像や文字をドラッグアンドドロップで共有できるなど、自由自在。分割モードは上下、左右2方向にそれぞれ2つ、最大3~4アプリを同時に表示でき、「PDF見ながら文書作成」「YouTube観ながらブラウザで調べ物」といった多様な用途に対応します。

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特に、このFoldシリーズは誕生から5年目と、過去の経験や知見が蓄積されており、ソフトウェア面での使い勝手にも活かしている印象です。近年では「フレキシブルモード」と呼ばれる画面を“半折り”した状態で使える機能を実装。机に置いてスマホスタンド要らずで動画を見たり、タッチパッドでPC風の操作をしたりと、多様なユースケースに対応しつつあります。

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折り目は?重い?気になるポイントと課題をおさらい

一方で、折りたたむという奇妙な仕様上、気になる点も多いでしょう。まず「折れ目は目立つのか」についてですが、結論として「ほぼ気にならない程度」です。感触で曲がっているのはわかるうえ、画面がオフ=黒背景の場合だと、光が反射して気になることもありますが、点灯時は特に目に障ると思ったことはありません。ただ、メインディスプレイについて補足すると、材質上やや柔らかく傷や衝撃に弱いという欠点があります。Foldシリーズは長らくスタイラスペンに対応していますが、爪やペン先で力強く押してしまうと破損する可能性があり、注意が必要です。

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そして、折りたたんだ際の状態について。Foldシリーズでは長らく折りたたみ時に画面のヒンジがくっつかない仕様でしたが、昨年のFold5ではピッタリ閉じるよう劇的な改善が見られました。Fold6でもヒンジ機構の改良も見られ、デバイスを閉じた際に隙間がなく、しっかりと閉じる感覚は非常に心地よいです。

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画面が物理的に2つあることから重さも気になるでしょう。本機の重量は239グラムで、Fold5の250グラム超えから劇的な軽量化を実現し、両機を比較すると真に実感します。その一方、やはり一般的なスマホと比べると重めでかつ、「Xiaomi Mix Fold 4」や「Honor Magic V3」の226グラム、「Vivo X Fold3」の219グラムと急速に進化する中国勢と比べると頑張ってほしい感は否めません。ただ、これらは日本で買えないため直接的な問題にはならず、シリース単体で見れば着実に進歩した印象です。

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つまるところ「スマホにしては重いが、タブレットにしては軽い」という印象です。

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市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。