元祖サムスンがピンチ?折りたたみスマホ、中国メーカーが相次ぎ「軽量・高性能機」投入で猛追…iPhoneより軽い機種も
2019年より本格的な商用化が始まった「折りたたみスマートフォン」。同年より「Z fold」シリーズを展開し、その市場をリードしてきたサムスンだが、ここにきて中国メーカーが次々と革新的な製品を投入し、猛追している。
サムスンが日本国内で新型折りたたみスマホを発売へ
現在、日本市場で折りたたみスマホを発売しているのはサムスンのみで、同社はつい先日7月10日に最新モデル「Galaxy Z Fold 6」「Galaxy Z Flip 6」7月31日より販売を開始すると発表した。そもそも、折りたたみスマホは本のように“横”に折り曲げるものと、ガラケーのように“縦”に折り曲げるものの2つのタイプがあり、両者は似て非なる特徴を持つ。(以降、横折り式にのみ言及します。)
前者に該当する「Z Fold 6」では7.6インチのメインディスプレイが搭載、スタイラスペンにも対応し本体を開いた状態ではタブレットさながらの使い方ができる。前モデルである「Z Fold 5」からの変更点としては、プロセッサをクアルコム社のSnapdragon 8 Gen 3に一新し高性能化、重量も253グラムから239グラムへ軽量化、角張ったボディとなったことが挙げられる。
しかし、画面サイズやその他基本的な性能については大きな変更がないものの、海外価格は100ドルほど値上げに。自社開発のAI機能群「Galaxy AI」を搭載するなどソフトウェア面での強化が図られた。日本国内では249,800円〜各携帯キャリアにて販売を予定しており、分割プログラムなどを活用することでより気軽に買える施策も予定されている。
日本市場にとっては約1年ぶりとなる新型発売に期待が高まっているが、世界市場全体をみてみると、1年内の中国メーカーの追い上げは目を見張るものがある。GalaxyがZ Fold/Flipをフランス・パリで発表したわずか1週間後、中国「Honor」は最新モデル「Honor Magic V3」を発表した。
このモデルは、最新チップと大画面を備える点はサムスンと同じだが、特筆すべきはわずか9.2ミリの厚さと226グラムという軽量設計で、Z Fold 6よりも10g軽く、約2mmほど薄い。そんな軽量ボディに、5000万画素の広角レンズや3.5倍ペリスコープ望遠レンズを備えたトリプルカメラを詰め込み、早くも中国国内を中心に関心が高まっている。(編注:ただ、前モデルからの進化点が少ない点はサムスンに同じ)
世界シェア上位のメーカーは219gの軽量化に到達、各社注目の技術進歩
このほか中国メーカーでは、世界的ブランドである「Vivo」が今年3月に「X Fold 3」シリーズ2製品を投入。なかでも通常機種のFold 3(無印)は上位製品と比べると性能は劣るスタンダードクラスではあるものの、重量219グラムという軽量化を実現。これは単画面である「iPhone 15 Pro Max」の221gを下回る水準で、技術進歩に驚くユーザーが多数見受けられた。
そして、今後の動向に目を向けてみると、あさって19日に中国メーカーのシャオミ(Xiaomi)も最新モデル「Mix Fold 4」を発表することが確定している。一部情報はすでにXiaomiから発せられているものの、その他の情報によれば「9.74ミリの厚さと226グラムの軽量設計」「LEICAコラボによる5倍望遠対応カメラ搭載」といった目まぐるしい変化を見せることが予想されている。
これらの中国メーカーの新製品は、サムスンの市場シェアを脅かす存在となっている。直近2024年第1四半期のマーケットシェアにて「Mate X5」を展開しヒットを誘ったファーウェイがサムスンを抑え首位を獲得(Counterpoint)、年次予測でも同様の動きでサムスンのシェアを圧迫する可能性があるといい、軽量化、高性能化と各社の技術進歩にも注目される。