朝日放送が「鷹の爪」で知られるDLEの株式2%を売却 IP制作や放送事業に集中、連結子会社から外れる


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準キー局の朝日放送を擁する朝日放送グループホールディングスは29日、ファスト・エンタテイメント事業を展開する同社の連結子会社「DLE(ディー・エル・イー)」について、保有する一部株式の売却を行うことを発表。連結子会社から外れ、その他関連会社扱いになる見込みを伝えた。

現在、朝日放送GHDはDLE株の51.75%を保有しているが、本件により全体の2.00%を売却することにより49.75%の保有となり、持分法適用関連会社となる。

DLEはアニメ等IP(知的財産)コンテンツの開発を行うエンタメ関連企業として、自社が有する「秘密結社 鷹の爪」などの人気アニメ・キャラクターコンテンツを活用した企画や、地方創生、海外発信を含めた多面的な展開を行っている。2014年に東証マザーズ、2016年に東証一部へ上場(現スタンダード)し、2019年に朝日放送グループホールディングス株式会社と資本業務提携を行い連結子会社化していた。

売却に至った理由として、朝日放送GHD側は「 DLE が手掛けるファスト・エンタテインメント事業は事業環境の変化が激しく、収益力の高いIPを創出し成長を続けていくためには、以前にも増して機動的な経営体制が求められております」とし、今後は「放送・コンテンツ事業およびライフスタイル事業に経営資源を集中する」という自社方針も照らし合わせ、双方の企業価値の最大化に繋がる判断であると説明した。

直近のDLE(単体)の業績はセールスプロモーション案件の不振などが悪影響をもたらしたとして、経常損益は5億9000万円を計上し、5期連続での赤字となり、その損失幅も拡大した格好となった。こうした背景に加えて、朝日放送GHDの子会社であるアニメーション制作会社の業績回復への注力などを加味すると、ポートフォリオの改善としては一定の効果に期待される。

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なお、今回の売却により、連結子会社から外れることからグループ連結の売上高などに影響が出るとしているが、13日発表の業績予想には盛込み済みとのこと。また、今後も引き続き「個別案件毎に協業を継続的に検討していく」との意向も示している。

オタク総研編集部

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