MediaTekが新型SoC「Dimensity 9000」をイベントで正式発表=遂にAntutu100万の大台を突破
台湾に本社を置くMediaTekは19日開催のMediatekSummitにてフラグシップスマートフォン向け新型SoC「Dimensity9000」を発表しましたのでリリースとともに詳しくご紹介します。
遂にAntutuスコア100万台を突破!
世界初のTSMC4nmプロセス
MediaTek(以下MTと表記)史上初のプロセスルールが4nmのチップセットであり、1世代前になる同社の高性能Soc「Dimensity 1200」の6nmを大きく上回るチップセットとなりました。
Androidスマートフォン向けSoCでも史上初の4nmプロセスで、半導体製造のTSMCにおいても初となります。
Tensor・Snapdragonよりも高性能と主張
SoC含めスマートフォン全体の性能を測定するベンチマークアプリ「Antutu Benchmark v9」のスコアが世界初の100万点台の大台を突破しました!
@niraveさんのイベントレポートによりますとMTが発表したスコアは1007396となり具体的なスマートフォンの名称などは明示されていないものの、遂に3桁万台に突入しました。
The @Mediatek #Dimensity9000 sets a new record for @AnTuTuLabs v9, with a score of 1000000+. This is gonna be great to see in a flagship phone and run it through our own testing! #MediatekSummit pic.twitter.com/YS4krTwp0W
— Nirave 尼拉夫 (@nirave) November 18, 2021
Snapdragon 888に対して性能は35%・電力効率は60%高く、Apple A15 Bionicと同程度のマルチコア性能があると主張されており、Antutuスコアも加味すると性能面ではおそらく言及通りになるでしょう。
また高性能化に伴い、Googleが先月発表/発売したPixel 6に搭載しているTensorよりもAI性能が16%良いことも主張されました。AIプロセッシングユニット(APU)は、パフォーマンスと電力効率が400%向上し、 2021年の主力製品と比較してAIパフォーマンスが66%向上・消費電力が31%減少しているとのこと。
Shots fired! The @MediaTek #Dimensity9000 apparently offers 16% better AI performance than #Google's new Tensor chipset #MediatekSummit pic.twitter.com/BhOUuDUxAl
— Nirave 尼拉夫 (@nirave) November 18, 2021
MTと関連企業の今後の対応
発熱抑止にも自信ありだがミリ波非対応
以下のAndroidAuthorityに「発熱の問題を抱えているのは1社だけで、私たちではありません」という記事が投稿。”一社だけ”とは某超爆熱SoCのSnapdragon 888のことでしょうか…
爆熱と言われサーマルスロットリングも引き起こしまくるかもしれないSDをとても煽ってるように聞こえます。相当自信があるようです。
また同記事にはDimensity 9000は5Gミリ波に非対応の点にも言及されており、世界的な半導体の生産能力不足が影響しているとのこと。
320MP画素カメラ搭載スマホが出るかも?
最後にいちばん大切な搭載予定の端末について。
Dimensity 9000は世界初・320MPの写真キャプチャをサポートすることも発表されており理論上3億2千万画素のカメラを搭載するスマホが出る可能性もありそうです。
また、リーカーの@GadgetsdataさんはVivoやXiaomi・RealmeがDimensity 9000を搭載したフラグシップスマートフォンを投入すると言及。そのほか数社も投入を決めているとのことですが、本格的に日本に参入している企業はほぼ無く(Xiaomi程度)、日本での超フラグシップス機の需要も殆どないため日本で買えるのは相当先になりそうです。
Vivo X80 Pro+, Redmi K50 Series & one realme phone is confirmed to come Mediatek Dimensity 9000 !!
— Debayan Roy (Gadgetsdata) (@Gadgetsdata) November 19, 2021
以上Dimensity 9000に関するMT社による発表内容のご紹介でした。中国本土でもスマホ用3nmプロセスのチップセットの開発を行っているリークなどもあり今後SDやMTだけでなく多くのベンダーとの競争が激化する可能性を感じました。
当記事内には1次情報ではない不明瞭な内容が含まれていることがあります。公式リリースなどとともにご確認を推奨致します。