中国・ビリビリ動画、インフルエンサーらに“実名公開”求める…対応拒否なら「収益制限」VTuberなど影響か


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中国の大手動画共有サイト・ビリビリ動画が10月31日に発表した実名公開に関する方針について、日本を含む中国国外でも大きな注目を集めている。

ビリビリ動画の公式が同日にサービス内のテキスト投稿機能で公開した投稿によると、一部のアカウントに対しユーザーの実名を公開する方針であることを明かしていた。対象となるアカウントはフォロワーが50万人以上としており、初期段階ではフォロワー100万人以上のアカウントから順次登録を促す通知を送付する予定であるという。

ユーザーが実名公開に同意しない場合の対応については「その後のアカウントのトラフィックや収入などが制限する」とのこと。実名公開の対象アカウントのユーザーはプロフィールページに各種情報が公開されるとのことだが、執筆時点での「哔哩哔哩(ビリビリ)」Androidアプリではまだ表示は始まっていない。

現在では大まかな位置情報や生年月日のみの表示

こうした実名公開を促す取り組みは百度(検索エンジン)やWeChat(メッセージ)、微博(SNS)、抖音(中国版TikTok)等のインターネットサービスが同時期に同様の発表を行っている。国内媒体の報道によると、政府はインフルエンサーのような一定の影響力を持つ発信者を「セルフメディア(自媒体)」と称しているといい、ビリビリ動画側は「インターネットでの良好な世論形成を維持するため」に必要な措置であると示していた。

なお、ビリビリ動画にはユーザーの姓名(実名)とIDカードの送信を中国国内のユーザーに求めており、身元を結びつけるような仕組みが存在している。原則として自身が設定できるハンドルネームにより表面上の匿名性が担保されていたが、今回の方針発表により、ビリビリ動画による収益で生計を立てる著名クリエイターは収益を諦める or 実名公開のいずれかを強いられる可能性が高い。

加えてビリビリ動画は「ACG(Anime, Comic, Game)」に特化した動画共有サービスであることから、VTuberやプロゲーマー、ゲーム配信者といった“プライバシー”に注意を払う必要があるクリエイターが多く存在する。特にVTuberを巡っては「にじさんじ」といった日本国内の著名プロダクションによるライバーも参入しており、今後のビリビリ動画側の動向と各種クリエイター、プロダクションの対応に注目される。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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