カドカワ、上期はアニメ事業不振 来冬『推しの子』『メダリスト』放送で挽回図る


カドカワ、上期はアニメ事業不振 来冬『推しの子』『メダリスト』放送で挽回図る
「AnimeJapan 2025」KADOKAWAブースでの『【推しの子】』出展

株式会社KADOKAWAは6日、2026年3月期の第2四半期決算を発表。売上高1,339億3300万円で前年同期比1.8%減、営業利益55億5000万円で同47.8%減と、減収減益での着地となった。

ゲーム事業においては、2025年5月に発売した新作『ELDEN RING NIGHTREIGN』の国内外での販売が想定を超えて推移した。一方で、出版・IP事業では新規IP数が順調に増加したものの、タイトルの小規模化により売上が想定通り伸長せず、点数増に伴う費用増により効率性が低下した。

初アニメ化作品に挑戦、のれん償却影響で赤字計上

アニメ・実写映像事業では、売上高210億3000万円で前年同期比20.4%減、セグメント損失8億9500万円となり、営業利益36億4000万円を計上していた前期比で赤字転落となった。

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今年度上期はラインナップにおける初のアニメ化作品の構成比が高かったことから、1作品当たりの売上が減少。利益についても人気シリーズ最新作をはじめ大型作品が力強く貢献した前期からの反動減が響いた。

また、セグメント損失が発生した点については、前年に連結子会社化を行ったアニメ制作会社「動画工房」に係るのれん償却額として27億円の特別損失を計上したことも要因となっている。

10月クールに同社は『ある日、お姫様になってしまった件について』『異世界かるてっと』『千歳くんはラムネ瓶のなか』『私を喰べたい、ひとでなし』『アルマちゃんは家族になりたい』などに製作参画している。来年1月からは『【推しの子】』第3期や『メダリスト』第2期などの人気続編タイトルを放送予定で、下期での挽回を目指す。

実写映像では劇場新作『山田くんとLv999の恋をする』、『見える子ちゃん』などのメディアミックス作品が貢献したものの、劇場公開済みの複数作品に係る二次利用収入が大きかった前年同期からは減収となった。

著者 経済/社会担当
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