カドカワ、Q1は大幅減収減益 サイバー攻撃の影響消失もアニメは大型作品の反動響く

KADOKAWAは7日、4-6月期(2026年3月期第1四半期)の決算を発表。売上高は前年同期比1.5%減の648億円、営業利益は同61.5%減の231億円、経常利益は同69.5%減の235億円、純利益は同17.2%減の286億円となった。
前年同期(6月~)に発生したサイバー攻撃による影響は解消されたものの、出版・IP創出、アニメ・実写映像の減収減益をゲーム、Webサービス、教育・EdTechの増収増益で吸収しきれず、連結全体では減収減益となった。
出版・IP創出では、前年同期にサイバー攻撃により売上高13.5億円減、営業利益8億円減の影響があったが、この影響は消失した。しかし国内紙書籍・電子書籍においてメディアミックス等によるヒット作品が少なかったことなどにより、実質的な収益減が発生した。
アニメ分野ではタイトル数が減少したことに加え、大型作品が貢献した前年同期から減収減益となった。実写映像でも配信収入が大きかった前年同期から減収減益となっている。なお、第2四半期以降はアニメのタイトル数が増加する見込みで、「メダリスト」など人気シリーズの最新作やメディアミックス効果が期待できる新作の貢献により、引き続きセグメントとして3期連続の過去最高業績を目指すとしている。
ゲーム分野では国内外で「ELDEN RING NIGHTREIGN」が貢献し、想定を超える進捗で営業利益が40.4%増など力強い成長を見せた。「ニコニコ」ブランドで知られるWebサービス分野ではプレミアム会員数が減少したものの、サイバー攻撃影響の消失を中心に増収増益となった。
また、為替差損の発生により、経常利益は営業利益より大きい減益幅となった。第2四半期以降の見通しについて、同社は連結・セグメント別ともに期初公表の業績見通しに変更はないとした。