淡路島のアニメ体験施設「ニジゲンノモリ」直近決算で赤字大幅縮小 昨年は50億円損失


淡路島のアニメ体験施設「ニジゲンノモリ」直近決算で赤字大幅縮小 昨年は50億円損失
施設内で展開する『ドラゴンクエスト』とコラボしたエリア

人材派遣業など知られるパソナグループのグループ子会社が淡路島で運営する「ニジゲンノモリ」について、最新の運営会社の決算公告が9月30日付の「官報」にて掲載された。

公告によると、直近決算期の純損益は2億6,183万円の赤字となっており、50億7,015万円を記録した前期と比較して大幅に縮小したことが明らかになった。利益剰余金も29億6,865万円となり、こちらも前期比で改善した。

同社は2024年5月期において、人件費や物価高騰、施設拡大などに充当する設備投資を行ったことが背景にあると想定されており、株主資本も26億円の債務超過になるなど厳しい状況となっていた。(債務超過は続いている)

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2025年9月30日掲示「官報」決算公告より
2024年9月30日掲示「官報」決算公告より
2024年9月30日掲示「官報」決算公告より

パソナグループは人材創出や地方活性化を目標に掲げ「地方創生ソリューション」を一事業に構えており、その中心的な取り組みの一つとして、淡路島でアニメエンタメパーク「ニジゲンノモリ」を運営している。

この施設は自然とマンガ・アニメ等の2次元コンテンツをテーマにした、日本初の体験型エンターテインメントアニメパークとして、東京ドーム約28個分の敷地面積を誇る兵庫県立淡路島公園内に設立。神戸や大阪などの都市圏から比較的好アクセスながらも、自然あふれる空間である利点を活かし「クールジャパン×自然×テクノロジー」の施設展開を行っている。

直近だけでも『モンスターハンター』『ドラゴンクエスト』といった人気ゲームの常設エリアから『ゴジラ』『クレヨンしんちゃん』『SPY×FAMILY』などアニメ漫画IP(知的財産)とコラボ歴もあり、しばし「関西空港から60分(フェリー)」とアピールし海外からのインバウンド需要を狙っていた。

一方で、前期の期初に予想した来場者数からは下回ったとも説明しており、その背景に「猛暑や週末の悪天候による影響」「観光地の分散化の影響」などを挙げていた。

著者 経済/社会担当
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