カドカワ、イタリアの大手マンガ出版社を買収 ラノベなど未開拓分野も念頭に


カドカワ、イタリアの大手マンガ出版社を買収 ラノベなど未開拓分野も念頭に

KADOKAWAは19日、5月14日付けでイタリアの出版社「Edizioni BD S.r.l.」に出資したことを明らかにした。今回、同社の出資で全株式の70%を取得し、自社のIP(知的財産)のグローバル戦略を推進。欧州市場への展開を加速する。

Edizioni BDは2005年にイタリア・ミラノで設立され、年間約500点のマンガやライトノベルを刊行する現地有数の出版社。同社はイタリア語翻訳による日本コンテンツの紹介において長年の実績を持っているといい、一般書店での流通網の開拓などで、読者層の拡大を進めてきた。

イタリアでは、1970年代に始まった日本アニメの放映をきっかけに、日本マンガの翻訳市場が早くから形成され、2016年には若年層向けの文化支援政策「カルチャー・パス制度」が導入されるなど、国家的な文化振興の流れも後押ししており、現在ではフランスに次ぐ欧州第2位のコミック市場へと成長している。

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KADOKAWAは今後、Edizioni BDを通じて自社作品のみならず、幅広い日本マンガの翻訳出版に注力する方針を明らかにしており、ライトノベルなど未開拓ジャンルの展開にも意欲を示した。また、フランスをはじめとする他の欧州拠点との連携を通じて、地域全体での市場拡大を図る。

Edizioni BDのCEOであるMarco Schiavone氏は、「日本の大手エンターテインメント企業から直接投資を受ける初のイタリア現地出版社となることは本当に素晴らしいことです。日本と読者の皆様を直接つなぐという私たちの使命はより強固に果たされるでしょう。私たちは、KADOKAWAという、イタリアのマンガ市場、国の特殊性に非常に関心を持ち、事業拡大に協力的かつ好奇心旺盛なパートナーと出会えました。ここから野心的でエキサイティングな旅が始まります」とコメントした。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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