テンセント、カドカワ株を追加取得 ソニー迫る保有比率に「資本業務提携の一環」


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中国のIT/ゲーム開発大手・テンセント(騰訊)がKADOKAWAの株式を追加取得したことが明らかになった。これにより、同社の持ち株比率は7.97%となり、直前の発表比で比率が1.11ポイント上昇することとなった。

テンセントグループのシックスジョイ・ホンコン・リミテッドが3月3日、関東財務局に提出した大量保有報告書(EDINET参照)により判明した。報告書によると、今回の追加取得の目的は「提出者と発行者との資本業務提携の一環」としており、保有比率は6.86→7.97パーセントに増加した。

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KADOKAWA株式をめぐっては、昨年末ごろにソニーグループによる戦略的資本業務提携契約の締結が大きな話題になった。当初の経済紙報道では「買収」の可能性が含まれていたが、結果としてソニーが約500億円で1205万4100株を取得。同社は10.11%を保有する筆頭株主となった。

第三者割当後、ソニーグループが筆頭株主となっているが、主要株主に定義されない信託口2社(KOREA SECURITIES DEPOSITORY-SAMSUNGと日本マスタートラスト信託銀行)は引き続きソニーを上回る1位、2位となる。また、経営陣による大量保有は確認できる限り6位の川上量生氏・4.60%だった。

KADOKAWAは出版事業を核に「Re:ゼロから始める異世界生活」などの有力な知的財産(IP)を保有し、アニメ、ゲームなどメディアミックスでの横展開を得意としており、業績を伸ばしている。10年代からはゲーム開発も着実に成長しており、「エルデンリング」を生んだフロム・ソフトウェアやスパイク・チュンソフトを子会社に持つ。

一方、今回のテンセントもゲームパブリッシャーを中心に協業の幅も広い。昨年12月には韓国・カカオピッコマと提携し、無料で最新話を読める電子マンガ「MANGAバル」をリリースするなど、外資系とのつながりが深まっている。

著者 編集部 経済・社会担当
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