カドカワ、またもアニメ制作会社を子会社化 撮影やCGに強いチップチューンがグループ入り


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KADOKAWAは17日、アニメ制作における撮影とCG制作に強みを持つスタジオ・チップチューンを子会社化したことを発表した。

チップチューンは2012年設立のアニメ制作スタジオで、アニメ制作工程における「撮影」と「CG」を主力とする。撮影工程とは動画、背景、CGデータなどを合成して一つの映像にする作業で、作品の品質に直結する重要なプロセスとされている。同社は業界トップクラスの撮影監督を擁しているとして、映画『ペンギン・ハイウェイ』やTVアニメ『幼女戦記』、『無職転生』シリーズなど、数々の著名作品の撮影を手がけてきた実績を持つ。

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KADOKAWAは2028年3月期までの中期経営計画において、「グローバル・メディアミックス with Technology」を基本戦略として掲げており、メディアミックスの中心となるアニメ事業の強化を推進。すでに6社のアニメ制作スタジオをグループ化しており、昨年の「動画工房」は大きく注目を集めた。チップチューンの参画により、アニメ制作における撮影工程の内製化と安定したリソースの確保、作品の高品質化、技術の継承と育成が可能になるとしている。

■株式会社チップチューン コメント

「当社は、撮影、CGを主⼒として2012年に設⽴し、作画、背景美術、⾊彩設計と徐々にスタッフを増やしてまいりました。アニメ会社としては珍しくイラストレーターも在籍し、ものづくりの垣根を超え、よりよい作品作りを考えて努めています。創業者で前代表取締役でもあった故・奈良井昌幸が志した『垣根のない作品作りを⼀丸となってしたい』という思い。それは志半ばとなりましたが、その意思を継ぎながら、作品作りへの意欲をKADOKAWAのグループとなって叶えていきたいです」

■株式会社KADOKAWA 執⾏役 Chief Anime Officer(CAO)菊池剛 コメント

「業界でも有数の撮影部⾨を持った株式会社チップチューンを、当社のグループに迎えられたことは⼤変喜ばしい限りです。前代表・奈良井昌幸⽒の思いを引き継ぎ、同社の発展に⼒を注ぐとともに、グループスタジオ6社との連携を推し進めながら、さらにハイクオリティな作品の創出を⽬指してまいります」

著者 編集部 経済・社会担当
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