マリオカート超えのソフトは生まれ得るか――任天堂、Switch2展開の質疑に回答 自社の「面白さ」も言及
任天堂は5日、2026年3月期の第2四半期決算の経営方針説明会を開催し、代表取締役社長の古川俊太郎氏らが出席して質疑応答を行った。
質疑では過去数世代のハードで最も販売本数が多い「マリオカート」シリーズを踏まえ「Switch 2で「マリオカート」シリーズの販売本数を超えるようなソフトが登場する可能性はあるのか」と問われた。
足元ではSwitch 2のローンチタイトルとして『マリオカートワールド』が発売され、既に957万本を販売する好調を記録している。この状況を受けての質問に代表取締役フェローの宮本茂氏は、「任天堂は常に『限界はない』と考えて取り組んでいる」と回答。
「娯楽の世界は『青天井』であるというのが私の最近のテーマ」と述べ、任天堂のIPや仕組みが新しいものとして広く受け入れられれば「エンターテイメントの枠を超えた数字になる可能性もある」と続けつつ、「何にでもチャレンジして良いというところが任天堂の面白さではないかと思っています」とコメントした。
「仮にそのような状況になったとしても、その土俵上では『マリオカート』もさらに売れ続けていくでしょうから、永久に超えられないかもしれない」とも付け加え、宮本氏は「『なんとか超えよう』と思う人がいるからこそ、また新しいものが生まれる」と期待感を示した。
Switch 2の販売動向について古川社長は2025年9月末時点で販売台数が1,000万台を超えたものの、Switchの普及台数1億5,000万台超とはまだ大きな開きがあるとの認識を共有。
また、新作タイトルの開発方針について古川氏は「ソフトウェアの開発費が拡大し開発期間が長期化しており、テンポよく新作タイトルを出し続けることは以前より難しくなってきている」と認めた上で、Switch 2はSwitchソフトも遊べることから、「今後新作タイトルの投入と、定番タイトルを長く遊んでいただくこと、この2つをバランスよく進めていくことが、Switch 2ビジネスのモメンタムを維持することに繋がる」との考えを示した。
そして、Switch 2への移行状況については2017年のSwitch発売直後から直近に至るまで様々な時期に購入した顧客が満遍なく移行しているといい、その他資料によると、Switch 2購入者の84%がSwitchユーザーからの移行だったという。
なお、「マリオカート」質疑の際に宮本氏は次のような興味深い回答も行っている。”その昔、「ポケットモンスター」のディレクターである田尻さんが、最初の「ポケットモンスター」のソフトをつくる前に、「任天堂のマリオを超えようと思ったら1人のお客様にソフトを2本売らないと超えられない」と私に冗談を言ったことがありました。それが『ポケットモンスター赤・緑』が生まれた理由の一つでもあります。このように、「なんとか超えよう」と思う人がいるからこそ、また新しいものが生まれるのだと思います。”