“おっさん”マンガ、急増の理由　5年で作品数3.5倍…書店員が分析

総合電子書籍ストア「ブックライブ」は本日11月3日が「いいおっさんの日」であることに合わせ、タイトルに「おじさん」「おっさん」が含まれるマンガ作品数の推移や人気ランキングを公開。

同社の調査によると、ブックライブに登録されている約12万タイトルのマンガ作品のうち、「おじさん」「おっさん」がタイトルに含まれる作品の第1巻発売数は、2020年の16作品から2025年10月時点では56作品へと約3.5倍に増加している。

さらに、タイトルに「おじさん」「おっさん」が入っている作品の40代以上男性による購入数ランキング上位10作品を調査したところ、全てが「異世界」関連の作品という結果となった。

直近の急増する傾向について、年間2000冊のマンガを読むという同社書店員のすず⽊氏は「『おじさん』と『異世界』の親和性の⾼さがうかがえます」とコメント。「40代以上の男性はキャラクターと⾃⾝を重ね、⽇常とは全く異なる世界観をフィクションとして楽しまれているかもしれません」と分析している。

また、異世界関連の作品には「転⽣系」と「異世界で元々暮らしている系」に二分されるとして、アニメ化した作品が多数あるような”成り上がり”を目指す物語だけでなく、ほのぼのした日常を描く作品も多い。

すず⽊氏は「おじさん故の切なさを盛り込んだ物語も多く、哀愁を感じられるためより親近感を感じます」と指摘し、「逆境を乗り越え成⻑していく逆転劇や異世界でのほのぼのとした温かい⽣活は『おじさん』世代に希望と勇気を与えてくれます」と述べた。

なお、男性40代以上の人気マンガランキングでは1位が『キングダム』、2位が『引退したおっさん冒険者、再雇⽤で最強ギルドマスターになってしまう』。そのうえで、アニメ化作品も含めた鉄板の人気「おっさん」マンガとして以下の4作品を上げている。

アニメ化作も…「おじさん」「おっさん」マンガ王道の鉄板作品

『引退したおっさん冒険者、再雇⽤で最強ギルドマスターになってしまう』（⾼島正嗣｜ライブコミックス）
⿊き魔⻯が封印されてから幾年⽉。⼤厄災が去り⽇常を取り戻したギルド【銀⽉の狐】では、「重い武器を持つの、きついんだよね〜」とぼやくロートルB級冒険者・ドノバンが引退勧告を受けていた。素直に引退を決めるも、彼のトンデモ⾏動のせいで「ドノバンって、⿊き魔⻯とやりあったんじゃね︖」疑惑が浮が浮上する。王道、でも新しい︕ 異世界バトルファンタジー開演︕︕

『⽚⽥舎のおっさん、剣聖になる〜ただの⽥舎の剣術師範だったのに、⼤成した弟⼦たちが俺が俺を放ってくれない件〜』（乍藤和樹 / 佐賀崎しげる げる / 鍋島テツヒロ｜秋⽥書店）
「ベリル先⽣を騎⼠団付きの特別指南役として推薦しました」。⽚⽥舎の村で細々と剣術道場を営む男、ベリル・ガーデナント。そこへ若き王国騎⼠団⻑に昇り詰めたかつての教え⼦、アリューシアが訪れ騎⼠団付きの特別指南役として王都へ⾏く事に。⼤成した弟⼦達と再会し、盛り⽴てられるベリルの運命は? おっさん成り上がりファンタジーの決定版、コミカライズ！

『異世界おじさん』（殆ど死ど死んでいる｜KADOKAWA）
17年間の昏睡状態から⽬覚めたおじさんは、異世界からの帰還者だった……。甥っ⼦たかふみと共同⽣活を始めたおじさんが語る、新感覚異世界＆異⽂化コメディ︕

『悪役令嬢転⽣おじさん』（少年画報社｜上⼭道郎）
52歳の真⾯⽬な公務員・屯⽥林憲三郎は交通事故に遭う。気が付いたらそこは学園舞台の⼄⼥ゲームのような世界…しかも校内⼀⾼⾶⾞なオーヴェルヌ侯爵家の令嬢グレイスに転⽣してしまい!?次マン2020コミック部⾨4位の期待の新作︕