「刀剣乱舞」商品の“ランダム商法”に批判噴出、受注生産へ変更 ランダムは歓迎されにくい実態も

ニトロプラスは6日、「刀剣乱舞 めでぃぬいこれくしょん」の販売方式について、ブラインドパッケージによるランダム販売を取りやめ、キャラクターを個別に選択できる予約受注販売方式へ切り替えると発表。これに伴い、ニトロプラス公式通販における「刀剣乱舞 めでぃぬいこれくしょん ~刀ミュ~ 1」の販売を一時停止した。
同商品は当初1個1980円(税込)にて「ブラインドパッケージ(箱)入り全6種から1個をランダム封入」で販売されていたが、今後は種類を個別に選べる形となる。製造コストおよび流通体制の見直しにより、販売価格は1体2640円となる予定。
同社は「この度、『刀剣乱舞 めでぃぬいこれくしょん』の販売方式につきまして多くのご意見をお寄せいただきました。お客さまからのご意見を真摯に受け止め検討を重ねた結果」として、販売方式の変更を決定した。
推し活時代、ファンからは歓迎されづらい「ランダム商法」
アニメ、アイドル等の“推し活”用途で販売されるグッズにおける「ランダム商法」とは、缶バッジやアクリルスタンド、カード類などの小物グッズで広く採用されている主流の販売方式となっている。
販売者側にとっては在庫を抱えるリスクを低減させるメリットなどがある一方、消費者側には「欲しいものが手に入らない可能性」や追加出費のリスクが伴うことから、しばしば否定的な意見がSNSで拡散されている。
直近では今年7月、VTuber「ホロライブプロダクション」のイベントで所属タレント66名分のグッズをランダム販売する形式が大きな批判を浴びた。66種類という膨大な数と1点あたりの価格の高さから、ほしいタレントのグッズを手に入る確率が極めて低いとして、プロダクションのファンからも批判が殺到する事態に発展。結果として、66種類全てをランダム販売する形式から商品を12~14種類ずつの5グループに分割する方式に変更した。
今年3月に公表された「推し活」におけるグッズの購買行動調査(EC物流代行サービス「ウルロジ」公表)では、「買ってみたい・買いたいと思うグッズの販売形式」としてランダム販売を選んだ回答者は31.6%にとどまった一方、「実際に買っている」販売形式では45.4%に上り、13.8ポイントの差が生じていた。
同調査レポートの講評では「グッズ販売においては、ファンの確実な入手ニーズに応える通常販売や受注生産を重視し、限定販売で特別感を演出しつつ、ランダム販売は一部の企画として取り入れるバランスが有効」と提言されていた。
ニトロプラス側は「品質維持と安定供給のための調整として、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」としている。