推し活、物価高・円安の影響「受けない」過半数 高齢になるほど増加傾向

マーケティングリサーチなどを展開するインテージは12日、自社が実施した推し活に関する全国調査の結果サマリーを公表。推しを持つ人は全体の35.1%に上り、物価高や円安の影響を「全く受けない」と答えた人が54%を占めることが明らかになった。
同調査は全国の15歳から79歳の男女5,000人を対象に実施されたもの。推しを持つ割合は男性より女性で高く、若年層ほど高い傾向を示した。最も高いのは女性15-19歳で75.0%に達し、次いで女性20代が65.5%、男性15-19歳が52.7%で続いた。
推しのジャンル別内訳では「ミュージシャン・バンド」が最も多く全体の10.9%を占めた。「国内のアイドル」が10.2%、「俳優・女優・モデル・タレント」が8.8%、「アニメ」が8.6%、「スポーツ選手」が7.2%がこれに続いている。
そして、直近に続く物価高や円安の影響について、日常の料理や食材の費用、水道・電気・ガスの使用量では7割が「影響を受ける」と回答した一方、推し活全般では「全く影響しない」が54%を占めた。年代別では60代で73.0%、70代で66.3%が「全く影響しない」と回答し、より高齢になるほど顕著な傾向を示した。
背景には60代以上では男女ともに推しの対象として「スポーツ選手」が上位に挙がっていることが要因と分析。「テレビ番組を見る」が主な「推し活」となっていることから、「推し活」自体にかかる費用が低い傾向にあるという。
加えて、「推し活」をする理由や気持ち(自由回答)からは「生活の中に楽しみと活気を取り戻すため」「全て忘れてのめり込める」「推しに会うため、日々の体調や体型を整えようと努力する事で自然に幸せを実感できる」「自分が苦しかった時、本当に精神的に救ってもらったと感じているから、他の人に移れない」といった声が挙がった。年代やジャンルを問わず、推し活から元気や癒し、楽しみを得ている実態が示唆され、推し活市場の堅調さが確認された。