生成AIイラストに86.6%が「問題意識」著作権侵害への懸念が最多=イラスト教室サービスが調査

オンラインのイラスト教室サービスを運営するアタムは、趣味や仕事でイラストを描いている500人を対象とした「生成AIイラストに関する意識調査」の結果を発表。その結果、生成AIイラストに問題を感じたことがある人は86.6%に上った。
内訳としては「よくある」が28.4%、「時々ある」が58.2%。無料でイラストを生成できるAIの普及により、SNSなどで生成AIイラストが頻繁に見られるようになったことで、問題点を感じる人が増加していると分析されている。
生成AIイラストに感じた問題として最も多かったのは「著作権侵害の疑いがある」で51.8%を占めた。回答者からは「学習元の著作権が保護されているかあいまいである。そして学習元とAIの絵柄が似ることによって、学習元の絵師に被害が及んでいる」「生成AIのイラストは、美しくきれいな仕上がりです。しかし既存のイラストレーターや漫画家などのイラストに似ていると、著作権に問題はないのか、気になることがあります」といった声が寄せられた。
次いで2位は「不自然なイラストが生成される」で19.0%、3位は「同じようなイラストであふれる」で10.8%となった。4位には「イラストレーターの仕事を奪う」、5位には「イラストレーターの努力が軽視される」が続き、権利や創作活動の価値に関するモラル面での問題意識が多く上がった。
実際に困った経験や違和感を覚えた事例では、「著作権侵害だと思えるイラストを見た」が11.6%で最も多く、「知人のイラストレーターの絵柄が生成AIに使われ、お金を儲ける手段にされていた」「好きだった絵師さんが、自分の絵が素材にされていることを知って、筆を折ってしまった」などの具体的な被害事例も報告された。
また、以降も2位「不自然なところがある」3位「似たような作品が増えた」4位「生成AIイラストに騙された」5位「手描きだと嘘をつく人がいる」と続いた。本調査はイラストを描いているユーザーを対象にしていることから、特に5位の偽る行為は、努力を重ねて作品を発表している人と比べた場合に、不公平で不誠実な行為として受け取られやすいとみられる。
イラスト制作者としての今後の向き合い方は
生成AIイラストとの今後の向き合い方については、「アシスタントとして使う」が26.6%で最多となり、「できるだけ使わない」の21.8%が続いた。回答者は「今まですべて自分に身につけるしかなかった、基本的な技術面のサポート役として、付き合っていければと思います」「構図やパターンの提案、簡易的なフリー素材生成など、あくまでサポートツールとして利用していきたい」として、限定的かつ補助的な活用を志向していることが明らかになった。
調査に対し、実施元は「AIで作られるものは学習データがあってこそ生まれるため、今後も著作権問題とは切っても切り離せない存在となるでしょう」と指摘。「私たちイラストレーターにとって仕事を奪われるのではと不安もありますが、生成AIイラストを使う層は必ずしも本来のクライアント層ではない、という見方もあります。だからこそ代わりのきかない作品をつくることが大事ですし、AIを発想のヒントや表現を広げるツールとして使えば、むしろクリエイターの強みにもなると思います」とコメントしている。関連