BOOTH、AI生成作品への監視体制を大幅強化…運営側の“悩み“が露見「健全性の維持が難しい」

ピクシブが運営するクリエイター向けマーケットプレイス「BOOTH」は18日、AI生成作品への対応を大幅に強化すると発表した。商品の出品について監視を強化し、規約違反が確認された場合は商品の強制非公開化やアカウント停止などの措置を段階的または即時に実施するとしている。
BOOTHでは2023年5月にAI生成作品に関する対応方針を発表し、これまでも「特定の作品・作家への依拠性が高いAI生成作品を出品しているショップに対し、全出品物を検索結果に掲載しない対応」や「AI技術を活用した音声変換ツールにおいて、特定人物の権利侵害が疑われる商品に対する指摘」を継続的に行ってきた。しかし、同事務局は「残念ながら依然として状況の改善には至っておりません」として、厳格な対応に踏み切ることを明らかにした。
現在のBOOTHにおけるAI生成作品の問題として、事務局は以下の点が共通して存在すると指摘。
- ・特定の作品・作家の学習済みモデルを用いることにより、従来の二次創作活動の程度を超えた依拠性の高い模倣行為が見受けられる
- ・高速に・高い再現度で・集団的に行われるため、著作権侵害の可能性を含む事例が繰り返し確認されやすい
- ・年齢制限商品において、隠蔽処理不足・無修正画像の登録が散見される
- ・著しく類似性の高い商品や、パターン化された商品の過剰な出品によって、商品の検索体験を阻害する場合がある
- ・一度、規約違反として措置をしても、アカウントを替え同様の行為を繰り返し行う傾向が強い
これらの要因が「BOOTHのマーケットの健全性を維持することが難しくなっております」との判断につながった。
新たな対応では、「特定の作品・作家への依拠性が高い商品を出品する行為」と「上記に準ずる商品を大量・連続的に出品する行為」について監視を強化する。違反行為が確認された場合は、商品の強制非公開化、ショップの強制非公開化、アカウント停止といった措置を段階的または即時に実施するとしている。
また、過去に規約違反として対応されながら別名義等で出品を行っていると判断された場合は、行為の内容にかかわらず同様の対応を実施するとしており、悪質な違反者への厳格な姿勢を示している。