ゲーム開発受託大手、Switch 2の対応は「2025年秋から本格化」見通し言及 大型ソフト展開もそれ以降か

ゲーム開発の受託開発大手のトーセ(東証スタンダード)は10日、2025年8月期の通期業績予想を上方修正すると発表した。売上高は従来予想の60億円から64億円に引き上げ、営業利益も4億2000万円から6億円に修正する。
トーセとは国内最大級の独立系受託開発専門企業で、ゲームソフトやモバイルコンテンツを中心にコンテンツの企画、開発、運営を行う。これまで任天堂、ソニー、カプコン、バンダイナムコ、スクウェア・エニックス、マーベラス、MIXIと多数のゲーム関連企業と取引関係にあり、任天堂タイトルの開発を手がけることも多い。
そんな同社、主力のゲーム事業の売上高が前期の41億6600万円から58億2000万円に大幅増加したことで、営業損失5億7300万円から営業利益5億4000万円へと大幅に黒字転換する見通しとなった。前回予想比では4億5000万円の上方修正となる。同社は「ゲーム事業の複数の主要な開発プロジェクトにおいて(中略)次の工程に進んだことで通期見通しの確度が高まった」「一部のプロジェクトでは仕様の追加や対応する範囲の追加などにより想定よりも開発規模が拡大している」ことを要因として挙げた。
同社は昨年10月の本決算当時、今後の同社やゲーム業界の取り巻く環境について、任天堂の新ハード「Switch 2」の発売に伴い新たなソフト開発需要が見込まれるとしたほか、すでに市場に浸透したプレイステーション5向けや、成長を続けるPC向けゲームの開発需要も堅調に推移すると予想していた。
同社はこの内容について、特にSwitch 2に関する最新の現状を共有した。今後の展望について、Switch 2が発売直後から過去最高の売れ足を記録していることを受け「現在進行中の開発プロジェクトでは同機種を対応プラットフォームに新たに追加するかどうか、クライアントと検討しているものもある」と言及。
「当連結会計年度の業績に与える影響は限定的である見通し」と説明した。本格的な影響については「2026年8月期(2025年9月から)より、商談や対応が増加してくることを見込んでいる」としており、これを鑑みると、Switch 2での大型ソフトタイトルが本格的に多数発売されるのはしばらく時間がかかる見通しとなる。