株式会社ポケモン、上場企業を凌ぐ好業績 売上高4000億円超え、高利益率のカギは

世界的な人気を誇る「ポケットモンスター」のブランド管理・プロデュースで知られる株式会社ポケモンが、上場企業をも上回る業績を記録している。
6月2日付けの「官報」に掲載された株式会社ポケモン第27期(2024年3月~2025年2月期)決算公告によると、売上高は前期の2975億800万円から1134億2400万円増加し、4109億3200万円にのぼったことが明らかになった。
営業利益は1007億4900万円、経常利益は1014億8700万円、当期純利益は703億4300万円となり、いずれも過去最高を更新している。特にその高い利益率が注目されており、営業利益率は約24.5%という高い水準となっている。
同社は「ポケットモンスター」のライセンス管理、グッズ販売から実店舗「ポケモンセンター」の運営を行う企業として、しばしば「株ポケ」とも称される。現在はアプリのプロデュースやトレーディングカード「ポケモンカード」の販売、アニメ作品の製作など、IP(知的財産)を保有している強みを生かしたビジネス展開を行っている。
「ポケモン関連」だけでTBS並みの売上高
株式会社ポケモンは非上場企業であることから、他のゲーム関連企業ほど業績が注目されることは少ない。しかしながら、先の業績はゲーム関連はおろか多くの上場企業とも肩を並べるor上回っている状況だ。
例えばコナミグループは売上高4216億円・営業利益1019億円と最も近い規模感となっている。同規模のセガサミーホールディングス(売上高4289億円・営業利益481億円)やスクウェア・エニックスホールディングス(売上高3245億円・営業利益405億円)とも比べると、営業利益や利益率で大きな差をつけている。
また、ゲーム関連企業ではない、コンテンツ銘柄やメディア銘柄と比べてもTBSホールディングス(売上高4067億円)に並ぶ水準となっている。これらの企業は多角的な事業を展開している一方、株式会社ポケモンはあくまで「ポケモン」に関連する事業で構成されるため、ポケモンというブランド力の強さが光る。
単年のゲームヒットに依存するのではなく、「ポケモン」という強力なIPを軸にカードゲーム、グッズ、ライセンシング(コラボ)など継続的かつ安定的な収益源を多数持つ収益構造が盤石となっている。
加えて、直近では昨年10月、DeNA社と共同で新作アプリゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」をリリース。リリース4ヶ月で累計ダウンロード数が1億DLを突破し、開発を担当するDeNAが大幅増益を記録するなど、記録的な好調が続いた。こうしたアプリゲームでのヒットを定期的に生み出せる点も大きな強みとなっている。