東宝、中国本土で「ゴジラ」本格進出へ 現地企業と戦略提携 作品全体で「150億円投資」計画も


東宝、中国本土で「ゴジラ」本格進出へ 現地企業と戦略提携 作品全体で「150億円投資」計画も

東宝は15日、中国本土における「ゴジラ」シリーズのライセンス事業推進に向けて、現地企業の上海新創華文化発展有限公司(SCLA)と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。

今回の提携により、SCLAは中国本土市場において「ゴジラ」シリーズのキャラクター認知拡大、商品化、展示イベント、マーケティングキャンペーンなど、幅広いライセンス関連事業を担う。

「ゴジラ」は1954年の誕生以来、東宝を代表するIP(知的財産)の一つとして展開されており、観客動員数961万人という空前の大ヒットを記録した第1作以来、日本国内だけで30本以上の映画が製作され、シリーズ累計の観客動員数は1億人を突破している。

2024年にはシリーズ70周年を迎えた節目に合わせ、東宝はシンガポールに現地法人を設立し、アジア各国市場での事業展開の強化を進めている。これに続く今回のSCLAとの提携は、中国本土を重要拠点としてさらに深化させる一歩と位置付ける。

TOHO Global代表の植田浩史氏は「中国本土市場における『ゴジラ』の認知度や人気、さらにはハリウッド版『ゴジラ』映画の興行成績を見るに、『ゴジラ』IPのビジネス拡大ポテンシャルには大きな可能性があると強く感じております」とコメント。

また、「中国本土市場特有の特性を考慮すると、現地で確固たる基盤を持つ有力パートナーとの協力が不可欠」であるとし、「この度、SCLAという極めて強力なパートナーと共に中国本土市場での更なる拡大を進められることを、大変喜ばしく思っております」と述べた。

一方、提携するSCLAの孙剑CEOも「日中両国の文化産業交流における新たな象徴となると確信しています」と意気込んでいる。以下、コメント全文。

上海新創華文化発展有限公司 (SCLA) CEO の孙剑(Sun Jian)氏

東宝は映画制作・配給の分野において、日本市場はもちろん、世界の映画業界全体においても非常に重要な地位と影響力を持っています。東宝の特撮映画「ゴジラ」シリーズは、すでに70年以上の歴史を誇り、「ゴジラ」は日本の特撮映画の先駆けであり、日本の特撮文化全体を牽引してきました。その独自の美学と物語の表現手法は、ハリウッド映画やアニメーション作品を含む世界中の映像制作に大きな影響を与えています。

SCLAは、日本の有名なIPを多数独占代理し、中国本土で20年以上にわたりアニメ・キャラクターライセンス市場に深く関わってきました。その中でも、日本の特撮IPは特に重要な位置づけであり、私たちはこの分野で豊富な運営・管理の実績を積み上げてきました。今回、日本を代表する伝説的なIPである「ゴジラ」の中国本土のパートナーとして共に取り組めることを大変光栄に思います。また、東宝からの信頼に心より感謝申し上げます。

この協業は単なるビジネスにとどまらず、日中両国の文化産業交流における新たな象徴となると確信しています。SCLAは、東宝と手を取り合い、中国本土市場における「ゴジラ」IPの新たな歴史を共に築き上げ、「ゴジラ」の魅力を多くのファンへ届けていきたいと考えています。

著者 編集部 経済・社会担当
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