DeNA株価が週明け16%超急落、一時は3000円割り込む 材料出尽くしや業績予想非公表に警戒か

ディー・エヌ・エー(DeNA)の株価が昨日5月12日に急落。同日終値は前週末比でおよそ16.4%下げる3035円をつけた。翌本日13日も前場で1%下げ、一時は安値3000円を割り込む局面もみられた。
同社は前週の取引を終えた9日午後に2025年3月期の通期決算を公表。売上収益が前年同期比19.9%増の1,639億円、営業利益は289億円の黒字(前期は282億円の赤字)、純利益も241億円の黒字(同286億円の赤字)と大幅な業績回復を示していた。
業績回復の主な要因は、2024年10月リリースのスマートフォン向けゲーム「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」の大ヒットで、ゲーム事業の収益ははのべ10倍にのぼった。プロ野球・横浜DeNAベイスターズの観客動員増加なども貢献した。
業績予想非開示は「我々も経験のない規模」も理由
そんな好決算にもかかわらず、株価は大幅減に。要因としては、主力ゲームの好調を既に織り込んでいた市場で「材料出尽くし感」が広かったこと、営業利益の面で市場予想を下回る域であったこと、1-3月期の営業利益が前四半期比で減少したことなどが想定されている。
また、同発表中には2026年3月期の業績・配当予想が「合理的な数値の算出が困難」として非開示となったことも、先行きへの警戒感を強める要因となった。なお、業績予想や直近の「ポケポケ」の動向については10日に公表された質疑応答で以下のように回答している。
■業績予想を非開示とした理由
業績見通しについて、現在は『Pokémon Trading Card Game Pocket』のリリースからまだ間もなく、ゲームでは一般的ですが、短期的には初速からの反動もあると考えています。我々も経験のない規模のタイトルですし、合理的な予想を立てるにはもう少しお時間を頂戴したいと考えていますが、開示可能と判断した時点で速やかに開示したいと考えています。
■ポケポケの前四半期比の推移や地域ごとの状況
個別の具体的な数字は差し控えますが、前四半期比ではやや減収とはなっているものの、引き続き堅調に推移しています。決算説明会資料にも記載のとおり、グローバルにも広く、大変多くのユーザに遊ばれており、またサブスクリプションの加入率も安定的に推移しています。運営の強みも活かしながら、長く楽しんでいただけるよう取り組んでまいります。