DeNA、「ポケポケ」ヒットを従業員に還元 特別賞与で一人当たり100万円超分の引当金計上

ディー・エヌ・エー(DeNA)が9日に発表した2025年3月期通期決算によると、『ポケポケ』ヒットで大幅な業績回復を達成したことにあわせて、従業員への特別賞与支給と株主への特別配当の実施を公表した。
前年度の大幅赤字から一転
決算発表によると、DeNAの2025年3月期の売上収益は1,639億9,700万円(前年度比19.9%増)、営業利益は289億7,300万円となった。前年度は282億7,000万円の営業損失だったことから、劇的な業績回復を遂げている。当期利益も241億9,300万円と黒字転換を果たし、前年度の286億8,200万円の損失から大幅な改善を見せた。
業績好調を受け、同社は従業員への特別賞与支給について公表。決算短信では販管費の項にて「特別賞与の支給に向けた費用等人件費が増加いたしました」と記載されているほか、キャッシュ・フローの説明によると賞与引当金を約30億4700万円増額していることが分かった。1億2700万円増だった前期から大きく伸ばしている。
DeNAはグループ連結で2,897名、単体ベースは1,397名であるため、単純に連結人数で除しても一人当たり100万円以上。実際には本社単体や直接貢献したゲーム事業の関係者に多くの配分がなされることが想定されるため、一人当たりでは上振れする可能性もある。
また、従業員だけでなく株主への還元として1株あたり33円の普通配当に加え、32円の特別配当を実施することを発表した。これにより、年間配当は1株あたり計65円となり、前年に比べて大幅な増配となる。
業績好調の最大の要因は、2024年10月30日に新規リリースした『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』の成功が挙げられる。ゲーム事業の売上収益は780億9,900万円(前年度比44.6%増)、セグメント利益は385億7,700万円(同1,016.1%増)と驚異的な伸びを記録した。
さらに、横浜DeNAベイスターズが「SMBC日本シリーズ2024」で優勝したことも収益に貢献し、スポーツ事業も313億300万円(同14.8%増)の売上を達成していた。なお、当期2026年3月期の予想は現時点では非開示にとどまっている。