『ポケポケ』ヒットのDeNA、大幅黒字転換…当期予想は非開示 反動など「見通し困難」理由に


『ポケポケ』ヒットのDeNA、大幅黒字転換…当期予想は非開示 反動など「見通し困難」理由に

ディー・エヌ・エー(DeNA)は9日、2025年3月期の連結決算を発表し、売上収益は前年同期比19.9%増の1,639億9,700万円、営業利益は289億7,300万円となり、前期の282億7,000万円の赤字から大幅な黒字転換を果たした。

ゲーム事業は「1016.1%増」業績予想は非開示

業績回復の主な要因は、2024年10月30日に配信を開始した『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』だ。わずかリリース4ヶ月で世界累計ダウンロード数が1億を突破、その当初より同社への業績に大きく貢献していたため、本決算に反映された格好となる。

同タイトルを含むゲーム事業は売上収益が前年同期比44.6%増の780億9,900万円、セグメント利益は1,016.1%増の385億7,700万円と大幅な増収増益となった。

四半期別ではリリース直後の10-12月期が前年同期比8,127%と驚異的な数値を叩き出しており、まさに「ポケポケ」バブルに沸く同社だが、2026年3月期(25年4月〜26年3月)の業績見通しについては、現時点で合理的な数値の算出が困難であるとして開示を見合わせていた。

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理由については、一連の「ポケポケ」が現時点まで堅調に推移しているものの、短期的には配信開始当初の初速からの反動が生じる可能性を示唆しているため。

「特にゲーム事業においては、2025年3月期下期に配信を開始した『Pokémon Trading Card Game Pocket』の動向を含め、現時点では合理的な見通しが困難となっております。当該タイトルにつきましては、現時点まで堅調に推移しており、且つ、長期的な貢献を目指した運営を行っておりますが、短期的には、配信開始当初の初速からの反動は生じるものと考えております。なお、新規タイトルについては、 2026年3月期以降当面の間、従来型の開発手法とは異なるソフトローンチ戦略をはじめ、新たな試みからのパイプラインを中心に想定しており、従来型の開発による新規タイトルは現時点でご案内できるものはございません。」

なお、その他事業見てみると、スポーツ事業においては、売上収益が14.8%増の313億300万円、セグメント利益は33.5%増の28億3,600万円となった。横浜DeNAベイスターズは主催試合の観客動員数が史上最多を記録し、「2024 JERAクライマックスシリーズ」と「SMBC日本シリーズ2024」で優勝を果たすなど好調に推移した。

一方、ライブストリーミング事業は売上収益が4.7%減の405億6,200万円、セグメント損失は2億100万円となり、前期の3億3,900万円の利益から赤字に転じるなどした。

著者 編集部 経済・社会担当
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