ノジマ、本決算で過去最高益更新 PC大手「VAIO」買収は初動好調、アニメ放送局もグループ入り


ノジマ、本決算で過去最高益更新 PC大手「VAIO」買収は初動好調、アニメ放送局もグループ入り

株式会社ノジマは7日、2025年3月期連結決算を発表し、売上高8534億2700万円(前年同期比12.1%増)、営業利益483億7100万円(58.3%増)、純利益322億9200万円(61.6%増)といずれも大幅な増収増益を達成したことを明らかにした。

売上高と営業利益はともに過去最高を更新した。同社は直近、2025年1月にPCメーカー大手・VAIO株式会社が新たにグループ入りしており、主力事業の好調とともに連結業績の押し上げに寄与した。

主力のデジタル家電専門店運営事業では、周年セールの開催や携帯電話部門でのオペレーション改善、DX投資の進展が奏功。売上高は3019億7200万円(同112.8%)、経常利益は200億9200万円(同125.8%)となり、売上高は過去最高を記録した。従業員待遇の改善にも注力しており、「2025年1月より3年連続1万円のベースアップ」、「初任給30万円」などを打ち出した。携帯電話部門では「従業員起案のアイデア」によるオペレーションの改善が進み好調となった。

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VAIO事業はWin10買い替え需要背景に初動好調

キャリアショップ運営事業では、出張販売やスマホ教室など顧客接点の拡大が奏功し、売上高は3677億6400万円(同106.1%)、経常利益は192億1800万円(同228.0%)と、こちらも過去最高となった。

そして、新設となったプロダクト事業では新たにグループ入りした「VAIO」の法人向けPCが成長を牽引。2025年10月に迫るWindows 10の延長サポート終了に向けPCの買い替え需要が生じ、PC市場は成長基調に転じていることを背景に、「VAIO Pro PK-R」などの新製品が好調。買収後の3カ月間で売上高176億9900万円、経常利益8億5400万円を計上した。

エンターテインメント分野でも動きが顕著で、同社は2024年4月にソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが運営していたアニメ専門放送局「アニマックス」と「キッズステーション」を買収していた。有料衛星放送は「その他」セグメントに入っており、既存の「AXN」ともにが番組編成とイベント事業を強化。売上高は120億4800万円、経常利益は18億7300万円と、こちらも過去最高を更新した。

著者 編集部 経済・社会担当
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