【Switch 2】中国では買えないはずが…香港版が流通する事情 イベントでは代理店が試遊会も


【Switch 2】中国では買えないはずが…香港版が流通する事情 イベントでは代理店が試遊会も

任天堂が6月に発売した「Nintendo Switch 2」は日本や欧州を中心に好調な売れ行きを示している一方、中国本土では発売が見送られている。しかし、現地の一部ゲーマーの間では「香港版」などの海外輸入版を購入する動きが確認されている。

任天堂の公式発表では「日本、北米地域、欧州地域、豪州地域、アジア地域(中国を除く)での発売を予定しております」と言及されており、中国本土での発売は現時点で決まっていない。

そのため、もし中国国内の消費者がSwitch 2で遊びたい場合、本土外から輸入する必要がある。実際、京东(ジンドン)などの大手ECサイトには「港版(香港版の意味)」との表記でSwitch 2本体が並んでおり、いずれも約4,000元(≒約82,200円)で販売されていた。

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ECサイト上での商品ページ

上海イベントでは販売代理店が試遊会も実施…公式見送りの理由は

多言語版の日本価格は69,980円(税込)となっており、香港現地での価格も同程度であるため、販売代理店の手数料を上乗せした価格で販売されているものと見られる。

なお、先日7月中旬に中国上海で行われた大型アニメ・ゲームイベント「Bilibili World」には香港を拠点とするゲーム販売代理店のGame Source Entertainmentが「Nintendo Switch 2体験会」ブースを用意。「マリオカートワールド」など新作タイトルを実機で試遊できるコーナーを設けており、多くの人が体験していた。

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任天堂が中国国内で発売を見送った背景について、複数の要因が推測されているが、最も大きい影響として中国本土におけるゲーム機販売の規制が挙がっている。

振り返ると2017年発売のNintendo Switchに「中国本土版」が登場したのは3年後の2019年だった。中国進出にはテンセントが国内運営に入って実現したものの、厳しいコンテンツ審査(版号審査)と未成年者の利用制限が敷かれていたことで、ほとんどのゲームタイトルが流通できないという結果に。

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さらに昨年、テンセントは中国版Switchのオンラインサービスを2026年にかけて終了することも発表し、撤退の方針を伝えた。こうした状況から、もし今後発売されることも想定したとしても、新たな現地パートナーの連携構築を考えると相応の時間を要しそうだ。

著者 経済/社会担当
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