カブアンド、初回株価は見込額から2円下げ「3円」に 前澤氏「控えめに設定」計画未達なども影響


カブアンド、初回株価は見込額から2円下げ「3円」に 前澤氏「控えめに設定」計画未達なども影響

実業家の前澤友作氏が2024年に起ち上げた新サービス「カブアンド」を運営する株式会社カブ&ピースは25日、同社が実施する「カブアンド種類株式第1期募集」の発行価格を「3円」に決定したことを発表。見込額の5円から2円下げての判断となり、詳しい経営状況とともに今後の方針を説明した。

カブアンドは「お金配り」で話題になった前澤氏がはじめた新サービス。ガスやモバイル通信、ネット回線、ウォーターサーバー、ふるさと納税といった生活インフラを提供しながら、利用者にポイント感覚でカブ&ピース社の未公開株を受け取ることができるというもので、11月20日のサービス開始直後より明石家さんまを起用した大規模プロモーションが注目を集めていた。

当初、同社や前澤氏はサービス利用で獲得できる株の発行価格の見込み額を「5円」と紹介していたが、25日の発表では第三者機関による現時点での経営状況の評価を踏まえ、2円下げて3円に改めた。

前澤氏「予定よりすこし多めに株をお渡しでことになりました」

カブアンドでは、先述のサービス利用により「株引換券」が発行される仕組みとなっており、5月2日からの引換期間中に「3枚→1株」に交換することができる。例えば株引換券100枚を保有している場合、99株がもらえ、余った1枚は第2期募集以降に利用可能となる。

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発行価格を引き下げた理由として「一部のサービスで、案内体制の不備やシステム開発の遅れなどが発生し、予算目標が未達成となったこと」「新事業の立ち上げが想定より遅れたこと」「1月1日から1月20日にかけてサービス受付を停止したここと」を挙げた。また、もう一つの大きな理由として前澤氏は「初期から応援してくださる皆さまに多くの株式を分配したい」ために、戦略的に第三者機関の評価内で「控えめな発行価格を設定した」と説明している。

また、同日公表した第2期募集の展望については、発行価格の想定範囲を「3〜6円」と設定。「当然経営陣としては企業価値向上を図り、上値の6円を目指していく」とした。

第1期決算、純損失は18.5億円 ふるさと納税需要やエネルギー関連サービスが牽引

なお、同社は第1期(2024年2月9日〜2025年1月31日)の決算説明を実施し、透明性をアピール。売上高は13億2400万円、営業損失は21億6500万円、当期純損失は18億500万円と赤字を計上した。損失の内訳としては、販管費が売上高を上回る29億7200万円を計上したことが挙げられ、そのうち9億1600万円を広告宣伝費が占めた。

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また、カブアンド内の各サービス利用者の統計も開示。ふるさと納税で17.6万人、次いで「でんき」の8.6万人など全体では67.9万人に達した。

今後の事業方針については、「クレカ事業をはじめ、リワード事業や保険事業についてもなるべく早いタイミングで収益化を図る」としたほか、「既存事業の商材拡大」「開発人員・顧客サポート人員の拡充と一部業務のAI化」「100万人規模の新規顧客獲得を目指した大規模プロモーション」などを掲げ、収益性向上を図る。

著者 編集部 経済・社会担当
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