アニメ制作会社は『進撃の巨人』でどれだけ売り上げたのか IGポートは版権事業で稼ぐ構図に

「Production I.G.」「WIT STUDIO」などで知られるアニメーション制作大手のIGポートは今月、2025年5月期第3四半期決算を発表。売上高は前年同期比32.9%増の109億6,913万円、経常利益は同27.9%増の12億4,157万円と大幅増益を継続している。
同社の直近の業績動向を振り返ると、アニメ制作等の映像制作事業において「制作期間の長期化や、人件費、CG制作費、外注費等が高騰」したことが響き事業単独で営業損失を出している傍ら、これを相殺し上回る「版権事業」の成長が挙げられる。
第3四半期でも版権事業では、「君に届け」「ハイキュー!!」「怪獣8号」「進撃の巨人」「SPY × FAMILY」などを中心に収益分配を計上。「君に届け 3RD SEASON」に関しては、配信事業者からのライセンス収入がすべて一括で計上されたこともあり、売上高は前年同期比で109.2%増の34億7,167万円、営業利益は同93.2%増の17億550万円となった。
なお、同社資料では各作品ごとでの版権売上比率が毎度公表されていたが、今回は新たな数字として「累計での作品別売上」が公表された。それによると、もっとも売上に貢献したのは自社スタジオ制作の『進撃の巨人』シリーズで21億8,800万円だった。この数字はあくまでIGポート内部での額であるため、作品全体の売り上げを示すものではないが、制作費用やライセンス販売の収益が含まれるとみられる。
続いて『ハイキュー』シリーズの18億5,500万円、『攻殻機動隊』シリーズの13億6,700万円が並び、4位には『魔法使いの嫁』が入った。『魔法使いの嫁』については、上位と比べると知名度に差は見られるものの、原作は同社子会社のマッグガーデンが発行していたことから、版権売上により貢献していた。(同作はブシロードに移管済み)