松竹、本決算で経常損失25億円 アニメ映画好調も減益、BS撤退費用も影響…来期は大幅に回復見込み


松竹、本決算で経常損失25億円 アニメ映画好調も減益、BS撤退費用も影響…来期は大幅に回復見込み

松竹株式会社は14日、2025年2月期(2024年3月~2025年2月)の連結決算を発表。売上高は839億7,400万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は16億6,400万円(同53.6%減)となり、経常損失は25億円(前年同期は経常利益28億6,600万円)と赤字転落となった。

この数値は今月7日に同社が発表した業績予想にて概算が明かされていた。当時の発表では映像関連事業において、複数の自社配給作品が想定を上回る興行収入を記録したと説明し、一部数値を上方修正。一方、BS放送事業からの撤退費用として、約16億円の特別損失を計上する予定であることも公表しており、決算中には15億6,000万円が計上されている。今回の経常利益での赤字は持分法による投資損失約45億円などが影響している。

ヒット作創出も前年比減、事業撤退など嵩む 来期は30億円の利益見込み

映像関連事業では、「九十歳。何がめでたい」「あのコはだぁれ?」「Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge in CINEMA」「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」などの作品が興行収入10億円を超えるヒットを記録。2025年3月までに「366日」が25億円、「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」が30億円を超える興行成績を上げた。

映画興行では「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」などのアニメ作品が大ヒットとなり、松竹マルチプレックスシアターズの年間興行収入に寄与。しかしながら、映像関連事業の売上高は437億3,900万円(前年同期比4.5%減)、セグメント利益は4億3,500万円(同83.0%減)前年比で大幅減益に着地した。

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演劇事業では、歌舞伎座や新橋演舞場で多彩な公演を展開。中村萬壽・中村時蔵の襲名披露や新作歌舞伎「狐花」、英語字幕タブレットの導入など、幅広い層への訴求を図ったが、売上高は238億200万円(前年同期比2.3%減)、セグメント損失は11億8,200万円(前年同期はセグメント損失7億400万円)となった。

経常損失は25億円を記録した一方、純損失は6億6,400万円(前年同期は30億1,600万円の黒字)と赤字幅は縮小している。これは特別利益91億2,200万円と特別損失61億9,200万円を計上した結果としている。

今後の見通しとして、2026年2月期の業績予想については売上高950億円、営業利益31億円、経常利益30億円、親会社株主に帰属する当期純利益20億円と大幅に改善する見通しを立てた。

著者 編集部 経済・社会担当
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