ゲーム受託開発のトーセ、半期決算は黒字転換&上方修正の急回復「新ハード発売」など追い風に順調


ゲーム受託開発のトーセ、半期決算は黒字転換&上方修正の急回復「新ハード発売」など追い風に順調

ゲームタイトルの受託開発を行う株式会社トーセは10日、2025年8月期通期連結業績予想の修正を発表。売上高・営業利益・経常利益については前回予想から上方修正された一方、当期純利益は特別損失の影響を受けて下方修正された。

トーセは国内最大級の独立系受託開発専門企業として、これまで任天堂、ソニー、カプコン、バンダイナムコ、MIXIなど多数のゲーム関連企業と取引し、累計2300本近い開発経歴を持つ。今回の発表によると、売上高は前回発表の56億円から60億円に修正され、7.1%の増加を見込む。営業利益も28億円から42億円へ、経常利益も26億円から41億500万円へと大幅な増額となる見通し。

主力であるゲーム事業においては、家庭用ゲーム機・PC関連分野で複数の開発プロジェクトが高い稼働率を維持しており、「なかには追加発注で開発ボリュームが期初の想定を超えて推移しているものもあり、売上に大きく貢献しております」としている。海外の大手ゲーム会社との試作段階の開発プロジェクトも進行しており、2025年8月期第2四半期累計の売上高は27億8300万円と前年同期比56.3%の増収、営業利益は2億640万円と前年同期の営業損失5億円から大幅な改善を記録した。

同社は昨年の本決算時、「Switch 2」の発売に伴い新たなソフト開発需要が見込まれるとしたほか、すでに市場に浸透したプレイステーション5向けや、成長を続けるPC向けゲームの開発需要も堅調に推移すると予想していた。

スマートフォン関連事業では、運営業務が前年同期をやや上回る水準で推移したが、新規開発については家庭用ゲーム機向け案件を優先したことで、売上は前年同期比で減少。売上高は6億7200万円(前年同期比3.0%減)となった。

一方、当期純利益は1億6000万円から8000万円へと50.0%の減少となる。これは「当社が長岡京市に有する長岡京トーセビルの建替えに伴う土地の売却に関連する特別損失、売却収入に先んじて当連結会計年度に発生すること」から、前回予想を下回る見込みとなった。

著者 編集部 経済・社会担当
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