コーエーテクモ、投資益と純利益が過去最高 持ち前の“凄腕運用”で経営下支え、ゲーム事業も好調

コーエーテクモホールディングスは4月30日、自社の2025年3月期の本決算を発表。売上高は前期比1.7%減だった一方、純利益は11.4%増の376億円と過去最高を記録したことがわかった。主力事業における利益確保や同社の「凄腕」と称される資産運用が功を奏し、増益を達成した格好だ。
主力のエンターテインメント(ゲーム)事業ではパッケージゲームでは9タイトルを発売。既存のオンライン・モバイルゲームの堅調な収益維持とともに、自社パブリッシングによるダウンロード販売の伸長があったが、セグメント売上は780億7800万円と前期比で微減。一方、運営タイトルにおけるコスト削減も進められたことでセグメント利益は31億7,500万円増加した。
「シブサワ・コウ」ブランドでは『三國志8 REMAKE』『Winning Post 10 2025』などを発売。「Team NINJA」ブランドでは『NINJA GAIDEN 2 Black』や『Venus Vacation PRISM』など複数タイトルを展開。『真・三國無双 ORIGINS』は体験版200万ダウンロード、累計出荷100万本を超える成果を上げたほか、中東販路も開拓し展開を進めた。
アミューズメント、不動産事業もそれぞれ収益を確保しており、不動産事業では「KT Zepp Yokohama」の高稼働率により過去最高の売上を記録した。
凄腕として投資家からも一目置かれる同社の資産運用(営業外収支)については「金融市場を注視しながら機動的な運用を行った」として、約178億円の黒字になり最終利益を大きく押し上げた。この数字は前期比でわずかに増加し過去最高額となり、市況や国際情勢が激しく変動する中での安定した運用が示された。
なお、同社の資金運用については、新たに有価証券等の運用を目的に設立された子会社「株式会社コーエーテクモコーポレートファイナンス」にて行うとしており、代表取締役社長には襟川恵子氏が就任する。
当期2026年3月期は売上高920億円(同10.6%増)を見込む一方で、利益面は純利益270億円(同28.2%減)と、開発投資や金融市況の影響を織り込み減益を予想している。