「ギガを売買」できる格安SIMはお得なのか?メルカリが始めた通信事業、利用動向を公表

株式会社メルカリが本年3月に開始したモバイル通信サービス「メルカリモバイル」について、個人間でデータ通信量(ギガ)を売買できる機能の利用動向を同社が初めて公開した。
「メルカリモバイル」はメルカリアプリを通じて申し込みから支払いまで完結できるMVNOサービスとして、日本初(自称)となる個人間でのデータ通信量(ギガ)の売買機能を特徴としている。料金プランは月額990円(2GB/税込)と2,390円(20GB/税込)の2種類で、docomo回線を利用した音声・SMS・データ通信サービスを提供する。
今回の発表によると、この「売買」機能を用いて2GB以上で出品されたギガの平均価格は1GBあたり36円と、従来の通信事業者の追加データ料金に比べて大幅に割安な水準であることが明らかになった。
20GBを200円で購入した事例や、47GBで1,890円、17GBで1,190円といった大容量通信を低価格で実現したケースが確認された。「月額990円(2GB/税込)の契約者でもおトクに大容量のデータ通信が実現できている」とし、基本プランに追加購入を組み合わせることで柔軟な利用が可能になっているとしている。
一方、ギガ単価が安価であるということは出品者、つまり通信容量を抑えて余剰分を持つユーザーにとってはデメリットとも見て取れる。メルカリによると760円の黒字を出したケース(16GBを3,150円で出品)や10GBで1,490円の中容量プランを実現した事例などをアピールしており、相場の幅も存在することが示唆された。
全体では、メルカリモバイル契約者のうち約3人に1人(33%)がギガの売買を経験。出品されたギガは平均20時間以内に購入されており、需要と供給の即時マッチングが機能しているという。最低出品額の兼ね合いで1GB単位の出品は平均価格が248円と高めだが、2GB以上では平均36円となっている。
なお、売却で得た金額はメルカリの残高にチャージされメルカリやメルペイでの買い物に利用できる。ギガの取引は1GB単位で行われ、1GBあたりの最高金額は500円で販売手数料は10%は必要。