東映アニメや講談社ら版権大手、AI開発企業に50億円出資 アニメ制作分野での応用に期待感


東映アニメや講談社ら版権大手、AI開発企業に50億円出資 アニメ制作分野での応用に期待感

株式会社Preferred Networks(PFN)は4月30日、2024年末に実施した資金調達ラウンドの追加ラウンドとして、総額50億円の資金調達を行ったと発表した。今回は東映アニメーションや講談社、TBSホールディングスなどのコンテンツ産業関連からの出資が目立つ。

PFNは、生成AIの基盤モデル、計算基盤、AI半導体に至るまでを自社で手がける垂直統合型の技術開発体制を有しており、低消費電力のAIプロセッサー「MN-Core™」シリーズや生成AI向け推論プロセッサーMN-Core L1000への投資・開発を行っている。

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開発中と発表した生成AI向けプロセッサー「MN-Core L1000」生成AIの推論を最大10倍高速化とアピール

今回の資金調達についても、同社は「競争力の高いAI技術の開発・提供に向けて投資していく」としており、これをもって調達した資金は累計で240億円に達した。

今回のエクステンションラウンドにおいては、講談社、積水ハウス投資事業有限責任組合、TBSイノベーション・パートナーズ3号投資事業組合、東映アニメーション株式会社、三井住友信託銀行株式会社、三菱UFJ信託銀行株式会社などが出資を引き受けた。また、融資については株式会社みずほ銀行が担当した。

このうち、東映アニメーション株式会社からは山田 喜一郎常務取締役がコメントを公表。同社の開発力について「今後の日本において極めて重要な役割を果たすものと確信しています。そこに弊社が長年培ってきたアニメ製作に関する知見を掛け合わせることで、より大きな相乗効果が生まれると考えております。私たちは、Preferred Networksと共に持続的な成長を目指し、日本のアニメ業界の発展に貢献してまいります。」とシナジー発揮へ期待を寄せた。

一方、講談社も株式会社講談社野間 省伸代表取締役社長が「おもしろくて、ためになる」との理念を前置きし「Preferred Networksの優れた技術と、当社の編集力や発想を融合することで、コンテンツの新たな可能性を拡げ、物語の感動を世界中の方々に届けてまいります。」とコメントした。

著者 編集部 経済・社会担当
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