「野原ひろし 昼メシの流儀」アニメ化は低コスト&短納期で中品質に 完成まで4〜5年の現状に対応


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「鷹の爪」のIPホルダーなどで知られるディー・エル・イー(DLE)は12日、新たなアニメ制作事業「オルタナティブ・アニメ」を発表した。本事業では、ミドルクオリティ(中品質)のアニメーションを低コストかつ短期間で制作することを特徴としており、アニメ業界の制作環境の変化に対応する狙いを示した。

DLEによる「オルタナティブ・アニメ」は、テレビ放送や配信向けの30分アニメシリーズ(全12話)を主な対象とし、同社が培ってきたアドビ社の制作ソフトAdobe Animateによる制作技術を活用する。従来の2Dアニメーション制作と比較して、コストと制作期間を抑えることで、より迅速なコンテンツ供給を実現するという。

近年、アニメ業界は世界的な需要の拡大に伴い、多くの制作スタジオが長期的なスケジュールを前提とした作品制作を行っている。DLEは「昨今では作品の完成が4~5年先になると言われております」と指摘し、こうした状況はIPホルダー(出版社)や製作委員会にとって課題となっていることを強調した。本事業を通じて、人気IPを市場の需要に合わせたタイミングで制作・公開することを目指し、ビジネスの成功確度を高める考えだ。

本事業の第1弾として、DLEは「クレヨンしんちゃん」のスピンオフ作品『野原ひろし 昼メシの流儀』のアニメ制作を担当することが決定している。本作は同日12日に情報解禁され話題に。2025年10月よりBS朝日にて放送予定であり、現在鋭意制作が進められている。

(C)臼井儀人・塚原洋一/「野原ひろし 昼メシの流儀」製作委員会

著者 編集部 経済・社会担当
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