1〜3月の中国スマホ出荷、アップルは9%減 政府補助金の恩恵及ばず国内と明暗


1〜3月の中国スマホ出荷、アップルは9%減 政府補助金の恩恵及ばず国内と明暗

米調査会社IDCが公表した中国スマートフォン市場の最新の報告によると、2025年第1四半期(1〜3月)は米Appleの出荷台数が前年同期比で9%減少し、主要スマートフォンメーカーの中で唯一出荷台数を減らしたメーカーとなった。

同四半期におけるiPhoneの出荷台数は980万台で、市場シェアは13.7%。前四半期の17.4%から減少しており、Appleはこれで7四半期連続の減少に。一方、中国国内の他メーカーは好調を見せており、市場首位のXiaomiは出荷台数が1,330万台と前年比で40%の増加を記録した。

結果、中国全体のスマートフォン出荷台数は3.3%増となり、世界全体の成長率1.5%を上回る拡大基調が続いた。この成長の要因について、調査元は春節商戦の追い風に加え、1月に実施された政府によるスマートフォン購入補助金が消費喚起を促したと分析している。

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IDC: China Smartphone Market Grew 3.3% in 1Q25, Outperforming Global Growth Ahead of US-China Trade Tensions

この購入補助金とは、本体価格6000元以下の端末を15%(最大500元)割り引くというもので、高価格帯を中心に展開するiPhoneは恩恵を得られたなったことが、メーカー間の明暗を分けたとされている。IDCはこの動きについて「Appleのプレミアム価格戦略が、今年初めに導入された政府の新たな補助金政策による成長の恩恵を受ける妨げとなった」とコメント。

市場全体の評価としては「第1四半期は中国市場として6四半期連続の成長となったが、補助金の規模や申請の複雑さが需要を抑制した」としつつ、今後は米中貿易摩擦によるコスト上昇などにより、市場は厳しい状況に直面すると予想している。

著者 山本晃平