ファーウェイ独自OS、中国年間シェアで「iOS」を上回る Androidからの脱却も推進


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市場調査会社・Counterpoint Researchが取りまとめた最新のデータによると、中国国内市場においてファーウェイの独自OS「HarmonyOS」がAppleの「iOS」を四半期連続で上回っていることが明らかになった。

12日公開の情報によると、2024年第4四半期の中国におけるOS市場シェアはHarmonyOSが19%を獲得し、iOSの17%を2%上回った。これにより2024年を通じて、同OSは四半期ごとにiOSを上回るシェアを継続した。全世界的にはAndroidが74%を占めた一方、HarmonyOSは4%と22%だったiOSにも及ばない数値となっている。これはHarmonyOS自体が中国国内以外では本格的に普及していないことが大きいが、対照的に中国市場では成長が顕著となった。

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政府支援を追い風に中国国内で成長見込まれる

調査元はこの成長要因として、ファーウェイ端末の好調な販売に加え、国内でのスマートフォン補助金が現地OEMに有利に働いていると指摘している。この補助金とはデジタル製品の新規購入に対する政策で、2025年1月から価格が6,000人民元(約12万円)以下のスマートフォンに対し15%相当の500人民元の補助金を提供していた。

HarmonyOSとはファーウェイが主導して開発するオペレーティングシステム。2019年よりスマートフォンを中心に、パソコンやテレビ、スマートウォッチ、イヤホン、IoTなどのファーウェイ製デバイスに採用されている。

米中対立に伴う禁輸措置によりPlayストア等のGoogleサービス(GMS)が利用不可能になって以降、日本を含む世界各国で急激にシェアを落とした同社だが、2023年発売の「Mate 60」スマートフォン以降、普及が加速。HarmonyOSを搭載したデバイスは2023年時点で「7億台を超えている」としており、国内を中心にエコシステムの構築を進めている。

そして昨年、当社が脱・Androidを目指すべく次期バージョン「HarmonyOS NEXT」の配信を開始した。現行のHarmonyOSはオープンソースで開発される「Android Open Source Project(AOSP)」をベースにした、Androidの一種に過ぎなかったが、NEXTからは独自カーネルへの移行が行われる。

これにより、従来までAPKファイル経由で可能だったAndroidアプリは(原則)動作しなくなり、完全に独立したOSに。現状はまだAOSPベースが多数となってあるが、今後の展望についてCounterpointは「HarmonyOSは引き続き中国市場で成長を続ける」と分析していた。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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