中国のスマホゲーム市場、日本IPの存在感に変化 新作が2割増加「ワンピース」などは類似タイトル溢れる


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アプリ、モバイル関連の調査を行うスパイスマート社が発表した2024年12月の中国スマートフォンゲーム市場における日本IP作品の動向調査によると、中国App StoreのセールスランキングTOP200において、日本IPを活用したスマートフォンゲームの割合は全体の12%にあたる24作品だった。2023年12月の30作品から減少となっている。

モバイルゲーム市場は国内政策による影響を受けやすい状況

ジャンル別の分析では日本IP作品の66.7%をRPGが占め、その中でもターン制RPGが25%と最も高い割合を示した。また、ランクインした日本IP作品の29.2%が発売後1年未満の新作タイトルであり前年同期の20%から増加。この傾向について同社は「2023年まで続いたゼロコロナ施策終了後に、日本IPとの交渉・開発・版号取得が相次いだ影響」と指摘している。

※版号…中国本土でゲームなどを配信するために必要な許可番号。中国国家新聞出版署(NPPA)が発行する「ゲーム版号(ゲームライセンス)」が必須で、これがないと中国国内でゲームの正式なリリースや収益化ができない。また、審査には厳しいガイドラインも設けられている。

市場の特徴として、単一IPに対して複数企業が異なるゲームを開発するケースが増加している。例えば「ワンピース」IPを使用したゲームは、2023年12月の4作品から2024年12月には2作品に減少。同様の現象は「聖闘士星矢」IPでも確認され、3作品から2作品への減少が報告されている。

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パブリッシャー別では、Tencent Gamesが12作品を展開し、最大手のNetEase Gamesと比較しても日本IPの活用に積極的な姿勢を示している。しかし前述の通り数自体は減少傾向にあり、これは「政府のオリジナルIP推奨政策による影響が大きい」とも推察した。

また、2024年12月に作品数が増加した新作日本発IPタイトルの多くは海外市場向けに開発された日本版ゲームをローカライズした簡体字版であり、中国独自で開発した作品とは言い難い状況としている。

著者 編集部 経済・社会担当
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