なりたい大人調査、小学生の間で「野球選手」人気回復…大谷翔平選手が貢献 YouTuberも根強く各世代上位

第一生命保険は10日、全国の小学生・中学生・高校生計3,000人を対象に実施した第36回「大人になったらなりたいもの」アンケートの調査結果を発表。子どもたちの職業観や憧れの人物に関する傾向が明らかになった。
小学生は5年来に「野球選手」が上位
小学生男子のランキングでは「会社員」と「動画投稿者/Youtuber」が上位を占めた傍ら、「野球選手」が「サッカー選手」を上回り、3位(9.5%)にランクインした。調査結果によると「インターネット調査を開始した第32回調査(2020年)以来初めて、『野球選手』が『サッカー選手』の順位を逆転」したという。また、憧れの人物を尋ねたところ、ロサンゼルス・ドジャースで活躍する大谷翔平選手が最も多くの票を集めた。プロ野球選手の名前は合計で35名挙がっており、国内外の野球人気が再び高まっていることがうかがえる。
一方で小学生女子のランキングでは、「歌手/アイドル」が5位(4.9%)となり、昨年の10位から順位を上げた。憧れの人物としても、Snow ManやNiziUといったアイドルグループのメンバーに加え、AdoやMrs. GREEN APPLEなどのアーティストの名前が挙がっている。さらに、アニメ『推しの子』のキャラクターを挙げる回答もあり、作品の影響力の大きさが示された。
中学生はネットで活躍する職業に人気
中学生男子のランキングでは、「Youtuber/動画投稿者」「ゲームクリエイター」「ITエンジニア/プログラマー」など、デジタル関連の職業が上位を占めた。2020年からプログラミング教育が必修化された影響もあり、人気ゲーム『Minecraft(マインクラフト)』を授業に取り入れる学校が増えているという。この流れを受け、「建築士」が7位(3.4%)に初めてランクインした。
一方、中学生女子では「漫画家/イラストレーター」が3年連続で2位(9.4%)となった。憧れの人物としても漫画家やイラストレーターの名前が挙がっており、YouTubeに投稿される楽曲のイラスト制作やSNSでの作品発表など、活動の幅が広がっていることが背景にあると考えられる。
高校生は「社長」が初の上位
そして高校生男子のランキングでは、「社長/起業家」が初めて6位(3.5%)に入った。第一生命の分析によれば、「“アントレプレナーシップ教育”の推進で、α世代は自分らしいキャリアを目指す『チャレンジ精神』がポイント」になっているという。調査結果では、「好きだから」という理由で職業を選ぶ傾向が最も強く、高校生になると「収入が良さそうだから」「働きやすそうだから」といった回答の割合も増加する傾向が見られた。
高校生女子のランキングでは、5年連続で「会社員」が1位、「公務員」が2位、「看護師」が3位となった。厚生労働省の「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、少子高齢化が進む中で看護師の需要は今後も増加が見込まれている。調査でも「人の役に立ちたいから」という理由で看護師を志望する回答が多かった。
この調査結果について、当社研究所担当は「α(アルファ)世代は「チャレンジ精神」と「超・デジタル」に注目!」をポイントと挙げた。また、「憧れの人」として、「スポーツ選手」が多く挙がっていることも特徴的で、大リーグ・大谷翔平選手の「50-50」達成やパリオリンピック・パラリンピックでの「メダルラッシュ」など、国内外を問わず日本人のアスリートが活躍した一年だったことも影響したと考察している。