冬アニメ、中盤でも注目を維持する作品は?初動の盛り下げの抑制が課題


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ブシロードグループ系のアニメデータインサイトラボは26日、57作品の2025年冬アニメを対象に、放送初動後、中盤における盛り上がりに関する分析結果を発表。新作では『メダリスト』や『SAKAMOTO DAYS』などが作品内外で効果的な施策を打っていることから、高い注目度を維持していると分析した。

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同分析では、放送開始から5週間が経過した次点でのGoogleトレンドの検索量データを用いて注目度を調査。レポートによると、2025年冬アニメ全体の傾向として、新作アニメは放送2週目に92.00%(初週を100%とした場合)という高い維持率を示し、2024年の各クールと比較して最も高い数値を記録した。これは前クール(2024年秋:74.04%)と比べて約18ポイント上回る結果となっている。ただし、3週目以降は例年同様に徐々に低下し、5週目時点では49.70%まで落ち込んでいる。

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一方、「第2期」などに類される続編アニメについては、2024年冬クール(前年)と比較すると維持率の安定性が低下しており、前年の続編アニメが5週目で95.58%まで上昇したのに対し、今期は66.81%と相対的に低い水準にとどまっている。

なかて注目度維持率の高かった作品に、新作アニメでは『メダリスト』が5週目で192.31%、『SAKAMOTO DAYS』が146.67%と高い数値を記録。続編アニメでは『俺だけレベルアップな件』が137.50%、『薬屋のひとりごと』『Dr.STONE』なども高い水準を維持している。

レポートでは今期特に注目度を伸ばした作品に共通する要因として、「初動ブーストの成功」「SNSバズを後押しする話題性」「中弛みの少ないストーリー構成」「継続的な宣伝・ファンコミュニケーション」の4点を挙げた。

著者であるSevenDayDreamersの湯通堂圭祐氏は「今期のデータからは、新作アニメが初動で注目を集めやすい一方、放送2~3話目で明確な評価が定まりやすく、そこで話題を生んだタイトルはさらに伸び、盛り上がりに欠ける作品は一気に視聴を落とす『二極化』が進んだ」と分析。また「配信の追い視聴が当たり前になった現在では、序盤での好評価や口コミ拡散がさらに重要性を増し、中盤であっても大きなイベントや仕掛け次第で一気に盛り返す余地がある」と指摘している。

著者 編集部 アニメ情報担当