任天堂、偽「amiibo」の販売業者に対し勝訴…フランスでも違法DL関連で提訴　法務の強さ発揮

任天堂が今月、Amazon上で偽のamiiboを販売していた2つの業者に対して起こしていた訴訟で勝訴し、700万ドル以上の損害賠償が認められたことが明らかになった。

米メディアPolygonをはじめ多数が紹介した本件は2023年10月、NintendoとAmazonが共同で提訴したもので、訴状によると被告の業者は複数のアカウントを利用して、Nintendo Switchなどで利用可能なアイテム「amiibo」の偽商品を販売する、知的財産権を侵害する行為していた。しかし被告側は訴訟に対応せず、米国シアトルの裁判所は原告側の主張を認める判決を下したという。

Amazonは、訴訟が提起される前に被告のアカウントを停止していたが、判決ではこの損害賠償の請求は妥当であるとして、裁判所はNintendoに対しある業者には約70万ドル、別の業者に620万ドルなどの損害賠償を認めた。

違法ダウンロード、エミュレータ、特許…多数の提訴を行っている

任天堂はかねてより自社タイトルやゲームプレイにおける不正行為や販売に関する侵害行為などに対し、国内外で法的対応を行っていることで知られている。つい先日にも同社がフランスのファイル共有サービス「1fichier.com」を運営するDstorageとの訴訟でも勝訴したことが話題になっていた。

この判決ではファイル共有サービスのサーバーに保存された任天堂ゲームの不正コピーについて、サービスの運営者はアクセスを削除しなかったことへの責任があると認められたこととなった。

不正行為における法的対応はこのほかにも「エミュレータ」が昨年、大きな注目を集めた。当時、界隈で最大規模だったSwitchエミュレーター「Yuzu」に対して行なった訴訟では、開発者側がソフト開発の活動停止と240万ドルの支払いに同意。違法コピーのゲームを配信していたストリーマーに対しても勝訴していた。

なお、これらはアメリカや欧州圏における提訴であるため、日本との直接な関わりはないが、日本国内での法的対応としては、オープンワールドクラフトゲーム「パルワールド」をめぐったポケットペア社への特許権侵害訴訟が世間的にも関心を集めていた。同ゲームは総プレイヤー数が3,200万人を突破したこともわかっていた。急成長を遂げるタイトルなだけあり、今後の進捗が注目されている。