Switch 2、発売直後の“供給不足”懸念に任天堂「リスクをとって生産を進める」価格への考え方にも言及


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任天堂は4日、オンラインで開催した2025年3月期第3四半期(4-12月期)の決算説明会において、年内発売予定であることが発表されたNintendo Switch 2の生産状況について言及。質疑応答にて現行機種の販売動向とあわせて説明を行った。

Switch 2の初期販売の戦略に言及

質疑ではSwitch 2の販売戦略に関する内容が相次いだ。以下、カギ括弧内は決算説明会(オンライン) 質疑応答(要旨)からの原文ママ掲載。

なかでも2017年に現行機が発売された際に「発売直後大幅に伸びた需要に対して、生産数を増やすことに苦労されていた」としたうえで、Switch 2ではそのような懸念は持たなくてよいか、との疑問について古川俊太郎社長は「現時点では、なるべく大きな需要を満たせるように、リスクをとって生産を進めているところです」と述べ、初期需要への対応を重視する姿勢に言及。具体的な生産計画については2024年3月期決算発表時に来期の業績予想と合わせて説明する考えを示した。

「初期需要やその後の需要がどの程度になるのかは、4月2日のNintendo Directでの情報発信後の反響や、体験会を通じて実際に製品に触れていただいたお客様の反応等を見ながら見定めていきたいと考えています」

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価格については続報待ちも、考え方やスタンスに

そして同程度に注目されている価格面について、インフレや円安など「日本国内と海外市場における価格差を考慮した時」を想定して、現行機とSwitch 2とで価格帯に関する「考え方に変化はあるか」と問われると、2017年当時と外部環境が変わっていることに触れ「お求めやすい価格についても考慮しなければなりません」とコメントし、現時点では伝えられないとした。

「現時点において Nintendo Switch ハードウェアの価格を変更する予定はありません」

そのほか、質疑応答には足元での業績に関する内容が多数見られた。これは4日に2025年3月期の通期業績予想を下方修正したことを踏まえてのもので、通期売上高は従来予想比7.0%減の1兆1,900億円、営業利益は同22.2%減の2,800億円となる見通しを示していた。

主な減収要因は前期の反動、後継機を前にした買い控えは

この発表について、同社は現行のSwitchの累計販売台数は大台の1億5,000万台を突破したことに触れ、年末商戦期も新規購入や買い替え需要が継続したものの、期初に掲げた目標には届かなかったことを伝えた。

ソフトウェアについては、年末商戦で『スーパーマリオパーティ ジャンボリー』などの新作タイトルが好調に推移。ただし、前期の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』『Super Mario Bros. Wonder』のような、ビジネス全体に大きな勢いを与えるタイトルがなかったことが一因とした。

「1本のタイトルがビジネス全体に大きな勢いを与え、周囲を巻き込んで多くのお客様に関心を持っていただくという流れを作ることができなかったことが要因だったと考えています」

また、昨年5月時点で後継機発売の展開が発表されていたこともあるなかで、現行機の買い控えが起こった可能性を聞かれると、「買い控えの影響が全くなかったとは考えていませんが、この年末商戦においても、世界中で多くの方に Nintendo Switch ハードウェアを新規でお買い求めいただき、また買い替え・買い増し等の複数台目としてお買いいただいた方もたくさんおられました」と伝えた。

なお、2025年以降のSwitchソフト展開について、『Pokémon LEGENDS Z-A』および『メトロイドプライム 4 ビヨンド』の発売を予定。古川社長は「魅力的なソフトウェアを開発できれば発売していきたい」としつつも、後継機の立ち上げに向けた専用ソフトの重要性にも言及。

Switch 2に関しては、すでに4月2日に詳細情報を公開する「Nintendo Direct」の開催を行うことを発表している。また、世界各都市での体験会実施を予定しておりこれらの反響を踏まえ、需要予測を見極めていく方針だ。

著者 編集部 経済・社会担当
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