任天堂株は1万円の大台突破、ソニーも新経営陣発表で上場来高値 半導体急落を機にエンタメ銘柄に注目
任天堂やソニーといった最大手のゲーム関連銘柄の株価が29日、一時上場来高値を更新。中国のスタートアップ企業が開発した生成AI「DeepSeek」を機に日本国内のAI、半導体関連銘柄が急落を見せたなかで、エンタメやIP関連銘柄全体では物色する動きが見受けられていた。
任天堂は昨日28日、10,250円の終値を付け1万円の大台を突破、上場来高値を更新した(株式分割前後も考慮)。同社は今月中ごろに後継機となる最新ハード「Nintendo Switch 2」を正式発表。製品筐体のイメージを動画で公開したが、性能や発売時期、価格などの情報持ち越しになったこともあり、短期的な材料出尽くしとの見方が強まり一時は8,800円台まで下落した。
しかし本機の発売自体は年内であることは明かされているほか、続報は4月2日に発表予定としていることや、前述する外部環境の変化なども加わり続伸。本日29日の終値は0.59%下げ軟調だったものの、1万円は割れず、高値ベースでは10,355円と上場来高値を更新している。
また、ゲームハード分野で任天堂と並ぶ最大手・ソニーも上場来高値を更新した。同社は本日29日に新経営体制を発表し、4月1日付で現取締役代表執行役社長COO兼CFOの十時裕樹氏が、取締役代表執行役社長CEOに就任することが明らかになった。
現会長CEOの吉田憲一郎氏は十時氏を「経営チームの要として、コンテンツIPと半導体を中心に行ってきた投資など、グループの成長戦略をリードしてくれた存在」と評価。光ディスク関連の生産終了が先日発表されたが、アニプレックス等の音楽事業や、PlayStationのG&NS事業などエンタメが牽引しており、さらなる成長が見込まれている。