なんと“物理可変絞り”対応…撮影が楽しくなるスマホ「nubia Z70 Ultra」魅力的だが惜しすぎる欠点あり
中国の通信機器大手ZTEが展開するスマートフォンブランド・nubiaは日本国内で新たにフラッグシップモデル「Z70 Ultra」を1月21日から先行販売しています。物理可変絞りが可能なカメラと現状最高性能のプロセッサを備えつつ、早割価格117,800円(税込)からとコスパも注目の一台となっています。【ミニレビュー】
nubiaブランドページ(Amazonでは早割非対応、2月10日から販売開始)
撮影が一層楽しくなる高性能カメラ
本機の最大の特徴であるカメラは35mm・50mm・85mmの3レンズシステムを採用し、メインカメラは物理可変絞り(F1.59~F4.0)による被写界深度の制御が可能。Huaweiの「Pura 70」シリーズなどでも採用されているこの可変絞り機能ですが、マニュアルモードを使えば絞りを簡単に操ることができ、ポートレート撮影ではスマホカメラから一歩進んだような写真の仕上がりになります。
イメージセンサーにはソニーのIMX906を採用し、AI画像処理エンジンを組み合わせることで、暗所撮影から望遠まで多様な撮影シーンに対応します。特にスペックによる差が出やすい夜景性能においても明らかな白飛びなどは発生せず、光量の強い看板でも鮮明に収めることができています。(※作例写真は原則Webp変換、サイズ60%リサイズです)
また、カメラアプリのモードも多彩で、通常モードに加え、ノスタルジーな仕上がりになる「ストリート」や、「星空」「ムーンライト」「スターバースト」「電子絞り」といった各用途に応じてプリセットされたモードが用意されています。一方で動画撮影については手ブレ性能を中心に少し弱い印象で、やはりこちらはサムスンなどの強い機種に任せたいところ。
そして、何よりのポイントは本体側面に二段階式のシャッターボタンを搭載している点。類似製品ではシャープのAQUOS R9 proもシャッターボタンを搭載していますが、あるとないとでは撮影体験がガラッと変わる印象。特に半押しによるオートフォーカスができるため、通常のカメラを触っているような心地になります。
そんな魅力的な本機のカメラですが、敢えて厳しいことを言うならば、シャッター音が非常に大きすぎる印象です。半押し時も「ピピッ!」と耳にくる音で、人混みが多いとより目立つほど。人によっては上記の魅力を台無しにするほどの欠点になります(参考動画を参照)。公式もこうした意見は想定しているようで「より快適に撮影をお楽しみいただけるよう、開発チームと連携しながら該当機能の改善に取り組んでおります」とのこと。改善に期待しましょう。
性能は現状最高峰クラス。バッテリーは大容量だが重さも重量級
カメラ機能以外にも本機はフラグシップたる真価を発揮しています。特に処理性能の面ではクアルコム社の最新SoC「Snapdragon 8 Elite」を搭載し、現状最高クラスの性能となっています。強化されたという冷却システムと6,150mAhの大容量バッテリーを組み合わせることでより長時間のゲームプレイが可能になり、80W急速充電にも対応します。
ディスプレイは144Hzリフレッシュレートに対応した有機ELを採用。nubiaならではの先進機能「UDC(アンダーディスプレイカメラ)」により、他社製品にはできない没入感ある映像が楽しめます。UDC技術については先日の記事を参照してください。
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高性能かつ大容量バッテリーであることから、重量は232gと重め。カメラバンプを中心にせり上がっており、機動性は他社製品より劣るかもしれません。NFCは搭載していますが、おサイフケータイには非対応である点も事前に注意しておきましょう。(余談:付属するTPUケースは微妙)
nubiaブランドページ(Amazonでは早割非対応、2月10日から販売開始)
可変絞りの高性能カメラと現状最高性能のスペックを有しつつ、価格は早割11万円からということで、かなり魅力的な一台になっているのではないでしょうか。カラー展開も通常のブラックに加えて、ゴッホデザインの「スターレイナイト」も用意されています。
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。