セールの時期には“容量偽装”のSSDにご注意 1TBでも実際は「70分の1以下」しか書き込めない


セールの時期には“容量偽装”のSSDにご注意 1TBでも実際は「70分の1以下」しか書き込めない

消費生活センターは2日、通信販売で販売されている一部の「ポータブルSSD」において、表示容量を大幅に偽装する悪質な商品が確認されたとのテスト結果を公表した。

今回の調査は「通信販売で購入した外付けSSDにデータが書き込まれない。商品に問題がないか調べてほしい」という消費者からの依頼に基づいて実施された。結果、当該製品は1TB(1000GB)の容量を謳っていたが、実際の書き込み可能容量はわずか「14.7GB」であったとして、重要なデータを失う危険性が指摘されている。

X線観察による内部構造の調査では、USB Type-CとType-A(USB2.0)の変換基板にUSBメモリと思われる基板が挿入された状態であることが判明。パソコンに接続してドライブ情報を確認すると、全体容量は985GB、使用領域は112GB、空き領域は872GBと表示されたが、保存されていたファイルの中には開くことができないものが存在していたという。

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さらに簡易的なディスクチェックを行った結果、見かけ上1.06TBのストレージ容量に対し、書き込み可能な最大値は14.7GBしかないことが判明した。センターは当該品について「ドライブ全体の容量を偽装するだけではなく、書き込めない部分についてファイルが存在しているように表示しているものと考えられる」との見解を示した。

この偽装により、実際にはほとんどのデータを開くことができず、復旧することもできない状況に陥る危険性がある。なお、テスト依頼を受けた時点で、販売ページや事業者情報は同サイト上から削除されていたという。

相場価格から明らかに「安い」製品には要注意

こうしたポータブルSSDの偽装製品は新興サイトのTEMUを筆頭に、海外系ECサイトで確認されている。なかには「4TBで1200円」という、相場価格と比べて明らかに割安な商品も多く存在している。

通販大手のAmazon.co.jpでは本日7月8日から年に数度の大型セール「プライムデー」が開催される。先行セールを含むこの期間中、電子機器の多くが割引価格で販売されるなか、こうした表示を偽る商品も確認されており、「相場価格との比較」「販売元」などを確認することをセンターは促している。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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