スマホのインカメラ、最先端は穴が無い!最新機種の「画面埋め込み」技術は完璧に近い出来栄えに


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通信機器メーカーZTEのスマートフォンブランド「Nubia(ヌビア)」が新たに日本国内で販売を開始するハイエンドモデル「Z 70 Ultra」とゲーミングスマホ「RedMagic 10 Pro」には、画面内にカメラを完全に隠す「アンダーディスプレイカメラ(UDC)」技術が採用されています。ここでは過去モデルと比較しつつ、魅力と進化ポイントを紹介します。

UDC(アンダーディスプレイカメラ)の魅力は?

UDCは英名の通り、スマートフォンのディスプレイの「下」にフロントカメラを埋め込む技術です。現在、スマートフォンのインカメラは画面に丸い穴が空いている「パンチホール式」や切り欠きのある「ノッチ式」が主流ですが、このUDCは一目瞭然。一切黒い穴や切り欠きがありません。

カメラモジュールを完全に隠すことができるため、画面全体が「一枚のディスプレイ」になり、没入感ある映像体験やゲーム体験が可能になっています。

普段遣いではまず目につかないUDC
普段遣いではまず目につかないUDC

例えばNetflixやYouTubeなどで映画(21:9比率)を横画面視聴する場合、パンチホール式のスマホだとカメラの黒い穴が映像表示領域と被ってしまったり、通知バーが黒帯で占有されたりしますが、UDC搭載のスマホではそういった邪魔な要素がなく、画面いっぱいにコンテンツが表示されます。

パンチホールありのスマホとUDCスマホでの表示の違い
パンチホールありのスマホとUDCスマホでの表示の違い。一見するとあまり差異はないが長く見ると穴は気になる。

このほか、ゲームプレイにおいても、特に縦画面ゲーム(例:『ウマ娘』)で画面上部の視野を遮る要素がゼロになり、ゲーム内演出をより大迫力で楽しむことができます。また、デザイン面では通知バー領域が広く使えるため、一度に表示できる通知アイコンの量も増えるようです。

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縦画面も穴がないだけで結構変わる

そしてこの度発売された2機種では、過去の搭載デバイスと比べて性能が大きく向上しているようです。弊誌が以前紹介した2023年発売の「RedMagic 8 Pro」では画面上部に「影」が少なからず認識されましたが、新モデルでは最大輝度時でもカメラの存在をほぼ感知できないレベルになっていました。

粗探ししてようやく影が見えるほどの出来。カメラ画質はまだ劣る

通常使用時ではまずもって違和感に思えることはなく、カメラの位置を把握するには「緑や薄灰色といった単色表示」かつ「最大輝度」にする…という、粗探しをしないと写真でお伝えできないほど。ディスプレイの画素配列の更新などが影響しているようです。

0124-l6xpkilpRGB各色での見え方。緑のときわずかに丸い影がカメラの部分。
RGB各色での見え方。緑のときわずかに丸い影がカメラの部分。

そして、大きな改善点に感じたのがカメラの画質。UDCはその特殊な仕組みが故に、撮影した写真が白味がかったような出来栄えになり、質が高いとは言えず、未だ発展途上の技術です。

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インカメラで撮影した写真
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過去モデルで撮影した写真

ただ、最近のUDCはAI技術と併用することで、特有の画質劣化を後処理で補完しているようで、実際に撮影してみてもその違いがわかりました。Android OSに搭載されている顔認証も特に問題なく使えるため、フロントカメラの性能を求めていない方にとっては完璧に実用レベルに到達したと言っても良いでしょう。

とはいえ、どうしても写真の「AIっぽさ」は否めず、通常のフロントカメラからは大きく見劣りします。画質をとるか、新技術を試すかのトレードオフといったところでしょうか。自撮りをたくさん行いたい方はご注意ください。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。